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『スターフォックス』生誕27周年! SFC初3Dシューティングゲームが継承する“爽快感”の所以は?

2020年02月21日 12:52  リアルサウンド

リアルサウンド

https://youtu.be/b93qUR7FI_Qより

 1993年2月21日に発売されたスーパーファミコン(SFC)ソフト『スターフォックス』。誕生から実に27周年を迎えた本作は、ロムカセットに内蔵したスーパーFXチップの機能をフル活用し、当時としては珍しい3Dモデルをふんだんに駆使したシューティングゲームとして注目を集めた。


(参考:『スターフォックス64』が教えてくれた“対戦”の楽しさ 学校の看板を賭けた隣町の少年との勝負


宇宙をまたにかけた壮大な3Dシューティングゲーム
 宇宙を舞台に雇われ遊撃隊「スターフォックス」の活躍を描いた本作の主役は、人間ではなく動物たちだ。凛々しい顔つきの「フォックス・マクラウド」(キツネ)に、気高い精神を心中に秘めた「ファルコ・ランバルディ」(キジ)、年の功でメンバーを支える「ペッピー・ヘア」(ウサギ)もいれば、ちょっぴり気弱だけどメカに強い「スリッピー・トード」(カエル)など、まるで昔話をひっくり返したような面々が勢揃いである。されど、作中に流れる雰囲気はSFそのもの。反重力を生み出す高性能戦闘機「アーウィン」に乗り込んだ彼らは、大空を舞い、宇宙を駆け巡り、時には水中を潜航し、マッドサイエンティストな「アンドルフ」の軍勢と激戦を繰り広げる。


 またスターフォックスだけでなく、シリーズを通して登場するライバルチーム「スターウルフ」も非常に個性が際立った集団だ。アーウィンと同等の性能を有した戦闘機「ウルフェン」を駆る彼らもまた、フォックスたちに勝るとも劣らない活躍を各シリーズ作品で披露する。


 上記の物語を支えるのが、初代作から踏襲している完成度の高いゲームシステム。奥スクロールで進行するステージを進みながら敵に向かってブラスターを発射。敵弾を機体を高速回転させるローリングで弾き返し、邪魔なオブジェクトはクイックターンで華麗に回避。敵に囲まれた際はスマートボムで一網打尽……。各シリーズごとに細かな違いはあれど、本質としての爽快感は継承されている。


 そうした基本的なシステム面に加え、プレイ中に挿入される仲間との会話劇も魅力的だ。プレイヤー操るフォックスの機体には、時おり仲間から助けを求める通信が入る。「バックをとられた!」「うしろのやつがうるさいぜ!」と危機を伝える仲間のピンチを救うと、各々のキャラクターごとに”感謝のメッセージ”を伝えてくれる。そのほか、ステージ開始前にアドバイスをくれたり、ステージクリア後に感想を述べたりと、とにかく賑やかなので寂しさに悩まされることはほとんどない。続編の『スターフォックス64』はフルボイス仕様となり、ゲームプレイの没入感を高める演出装置としても十二分に機能した。


主要シリーズタイトル(一部タイトルはゲスト出演)
・スターフォックス(スーパーファミコン/1993年2月21日
・スターフォックス64(NINTENDO64/1997年4月27日)
・スターフォックス アドベンチャー(ゲームキューブ/2002年9月27日)
・スターフォックス アサルト(ゲームキューブ/2005年2月24日)
・スターフォックス コマンド(ニンテンドーDS/2006年8月3日)
・スターフォックス64 3D(ニンテンドー3DS/2011年7月14日)
・スターフォックス ゼロ(Wii U/2016年4月21日)
・スターフォックス2(ミニスーファミ/2017年10月5日)
・スターリンク バトル・フォー・アトラス(Nintendo Switch/2019年4月25日)


白兵戦で拡大したプレイフィール
 「『スターフォックス』の本質はシューティングの爽快感にある」と上述したが、ゲームプレイの幅を大きく広げた作品としては、第3作目『スターフォックス アドベンチャー』と第5作目『スターフォックス アサルト』も欠かせない。というのも、両タイトルともに”フォックスの白兵戦が重点的に描かれた作品”であるからだ。


 前者の舞台となるのは、トリケラトプスやプテラノドンに類似した恐竜族が治めるダイナソープラネット。フォックスはこの星系を調査するべく、一振りのロッド(クリスタルスタッフ)を片手にアーウィンを降りる。惑星間の移動時に行うシューティングパートを除き、ゲームの進行は3Dアクションアドベンチャーに近い形式へと変更。暴れ狂う恐竜を相手に連続攻撃を叩き込むアクション要素満載のシーンも存在する。


 後者はこれまでのシューティング要素を含め、一部ステージを除いて白兵戦から好きなタイミングで乗り物(アーウィンやランドマスター)を扱えるようになった。マシンガンを構えて地上の敵を殲滅し、敵戦闘機をアーウィンに乗り込んで迎撃など、箱庭フィールド内における”地上戦と空中線のシームレスな切り替え”により、過去作品と異なったプレイフィールがもたらされた。


 過去作品もさることながら、『大乱闘スマッシュブラザーズ』への参戦や、「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」への『スターフォックス2』(未発売作品)収録など、一定して根強い支持と人気を集め続けている『スターフォックス』。リリースしてから時間こそ経っているが、シューティングゲームとしての歯ごたえと完成度はピカイチ。興味のある方は配信サービス等を利用してぜひプレイしてみてはいかがだろうか。


(龍田優貴)