自慢じゃないが、僕はストレスに超弱い。中学生の頃に、原因不明ながら急に色んなことが怖くなって、頭にいくつも円形脱毛症が出来た。それから、毎朝決まった時間に激しい腹痛に見舞われるようにもなった。
円形脱毛症って一度出来ると癖になってしまうもんで、いまだにちょっとストレスを抱えた数か月後ぐらいに、頭のどっかしらに小さな丸いハゲが出来る。今も、顎の髭の一部が丸く抜け落ちてしまったので、せっかく伸ばしてたが不格好だから剃ってしまった。
まあでも、ストレスを溜めた結果、腹が痛むとか、毛が抜けるだけで済んでるのでまだマシかもしれないと考えている。(文:松本ミゾレ)
「本当にメンタルやられたときはそもそもその判断が出来ない」
先日、ガールズちゃんねるで「ストレスはヤバイと実感したこと」というトピックに出会った。トピックを立てた人物は、かつて対人関係のストレスで統合失調症になったという。今は回復したようだが、以降はマイペースに生きて、ストレスを溜めないようにしているという。
統合失調症に陥るまでに追い込められるなんて、相当なストレス負荷がかかっていたに違いない。
このトピックには他にも、ストレスが原因と思われる症状に苦しんだ経験のある人たちの書き込みが山ほどある。「現代日本はストレス社会」とは、やっぱり本当のことだよね。
「まぶたの痙攣止まらない。気づいたら顔面麻痺」
「円形脱毛が何箇所もできた」
「めまい、動悸、耳鳴り。突然勝手に涙が出たりして、感情のコントロールがおかくしくなった」
「耳がゴロゴロなったりハゲたり夜中に歩き廻ったり、1番太るから普段食べないパンを一気に7個食べて急激に太ったり」
「ストレスで体調崩して仕事辞めたあと休職中の間2年の記憶がない。ストレスでメンタルやられたら心療内科行くべきなんだろうけど本当にメンタルやられたときはそもそもその判断が出来ないし動けないんだと学びました」
まさにストレスは万病の元。実にさまざまな障害を招くことが良く分かる。また、ガールズちゃんねるは女性の書き込みが多いからか「生理不順になった」という声も複数見受けられたところだ。こちらもしんどいんだろうなぁ……。
結局のところストレスの原因自体はどうすることもできない
ストレスによる疾患を抑えるには、ストレスそのものを除去するほかない。しかしこれがなかなか難しいことはご存知の通り。一旦ストレスにやられると些細な事、これまで何の関心もなかった事に対してまでストレスをおぼえるようになる。これが本当にキツい。
一番いいのは、仕事でストレスを感じたら転職することだろうけど、転職するとそれはそれで新しい環境に対してのストレスが生じるし。かと言って無職になってしばらく引きこもろうとしても、数か月もすると「このままでいいわけがない」という焦燥感がストレスの呼び水となる。
それで、ここからは一度落ち武者ばりに円形ハゲが出来まくった僕のストレス対処法を書いてお茶を濁すことにしたいんだけども、結局ストレス自体は絶対に除去できない。そして、運動だの趣味だのに走ってみたところで、気晴らしにも限度はある。どうしたって、ストレスは付いて回るのだ。
だから僕はあるときを境に「こんなに苦しいのはもう自分の力ではどうしようもない。かと言って死ぬのもバカらしい」と思うことにした。ハゲ倒すほどのストレスやプレッシャーを感じた手前、もう理屈でどうこう言ってもしょうがない。そう思って開き直った。極端な話、人間は、誰かに刺されて死ぬよりも、ストレスが蓄積して死ぬことのほうが多いんだから、もうそんな強敵に抗ってもしょうがないのだと、思うようにした。
すると、色んなことに距離をおいて接することができるようになって、嫌なことを言う人にも、嫌な目に遭うことにも「まあそういうこともあるわな」で済ませることができるようになった。少なくとも僕はそう感じるようにしてから、そこまで理不尽に円形ハゲに悩むことはなくなった。
今でも緊張すると、冷や汗が出るほどの腹痛には見舞われるけど、もうそれはしょうがない。最悪漏らして笑うだけ。ストレスは本当にどうにも御しがたい。だから最初から完璧な対処なんて、きっとないんだろう。諦めて、受け入れて、へらへら笑ってやり過ごすのも、一つの手なんじゃなかろうか。