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世界最大級の靴の合同展「ミカム」がミラノで開催、環境に配慮した取り組み目立つ

2020年02月19日 19:12  Fashionsnap.com

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世界最大級の靴の合同展「ミカム(MICAM)」が、2月16日~19日の4日間にわたりイタリア・ミラノで開催されている。第89回となる今回の出展者数は1,205社。近年「サステナビリティ」への取り組みを強化した運営を行っており、サステナビリティに関するセミナーやショーの開催に加え、会場の一部では天井から葉っぱのモチーフを吊るし、床にはメッセージを投影するなどの装飾が施されている。


 会場は「ラグジュアリー」「コンテンポラリー」「エブリデイ」「コスモポリタン」「キッズ」のカテゴリーに分けられたほか、12の若手ブランドにスポットライトを当てた「エマージングデザイナー」エリアが設けられ、世界各国のブランドや企業が2020-21年秋冬に向けた商談を行った。

 「エマージングデザイナー」エリアでは、「ベルルッティ(Berluti)」などで経験を積んだパリ在住の日本人デザイナー ハタ・マサミツがPierre Riviréreと共に2017年に立ち上げた「Timothée」が出展。ラグジュアリーブランドと同様の高品質の革を使用し、フランス生産にこだわったローファーやスニーカーなどを展開しており、今シーズンから日本での取り扱いがスタートするという。一部のソールには植物染めを採用しており、サステナブルに対しては「10年履き続けてもらえるようなクオリティの高い物作りをしたい」という姿勢を取る。

 ラフィア素材のシューズを展開する「CONTRE-ALLÉE」は、2017年設立のモロッコ発ブランド。全てハンドメイドで、1人の職人が1日かけて1足を作り上げるという。色とりどりのシューズをラインナップしており、ラフィア素材は全て天然の染料で染め上げるなど環境に配慮する。
 
また、イタリア発「YATAY」はリサイクル素材や天然素材を用いてエコフレンドリーでシックなスニーカーを提案。さらに、1足売れる毎に1本の木を植える取り組みを行っている。
YATAY

 「エマージングデザイナー」枠の他にも、ミラノ拠点の「ACBC」はアッパーとソールをジッパーで繋げるユニークなスニーカーを展開しており、ソールの量を減らすことで環境に配慮。また、ワイン製造中に出るブドウの廃棄物や、パイナップルの葉の繊維などから作られた素材を用いた「EVERGREEN LINE」シリーズも展開する。

 会期中は、「エマージングデザイナー」12組によるファッションショーや、イタリアのファッションスクールの学生によるサステナブルな作品を紹介するショー、サステナビリティやトレンドに関するセミナーなどが行われた。


■MICAM:公式サイト