トップへ

『レ・ミゼラブル』や『ウォール街』など作中に登場する映画の数々が 『21世紀の資本』新場面写真

2020年02月19日 17:02  リアルサウンド

リアルサウンド

『21世紀の資本』(c)2019 GFC (CAPITAL) Limited & Upside SAS. All rights reserved.

 映画『21世紀の資本』より、新たな場面写真が公開された。


参考:“この世は仕組まれている” トマ・ピケティ原作『21世紀の資本』場面写真&予告編


 本作は、フランスの経済学者トマ・ピケティによる同名書を映画化した社会派ドキュメンタリー。原作が700ページという超大作のため、完読が難しいとの声を受け、著者のピケティ自身が監修から出演までこなし、一般の人も理解できるように映画化した。


 劇中では、『ウォール街』『プライドと偏見』『レ・ミゼラブル』『ザ・シンプソンズ』などの映画や小説、ポップカルチャーなどをふんだんに使い、過去300年の世界各国の歴史を“資本”の観点から切り取っている。公開された場面写真は、本作で引用されている8本の映画のスチールとなる。


 大の映画好きというピケティは、自身の唱えた700ページに及ぶ理論を過去の映画のフッテージを使い、その作品らを経済の面から解説することで、一見とっつきにくいとされる経済の話題をポップに具体的に表した。


 ウォール街で一攫千金を夢見る男たちを描いたサスペンス『ウォール街』は、公開当時実際のウォール街にも影響を与えた。主人公のファッションが流行し、投資銀行に入社する人が増える社会現象にもなったという。現在でも金融や経済を語る上で引き合いに出されることが多く、金融映画を語る上で欠かせない作品となった。さらに英国の上流社会を描いた『プライドと偏見』を挙げ、「お金持ちがお金持ちと結婚して資産を相続し続ける」そんな18世紀の時代に戻りそうだと訴えかける。


 また、トム・フーパー監督が映画化したミュージカル『レ・ミゼラブル』は、19世紀に起こったヨーロッパの動乱の中で貧しくも懸命に生きる民衆を描いた。ピケティが『21世紀の資本』で警鐘を鳴らす“資本主義”が形作られたのもこの頃で、貧困に苦しむ一般市民が資産家に群がるシーンは、まさに当時の格差社会を映している。


※メイン写真は『レ・ミゼラブル』(2012年)


(リアルサウンド編集部)