2020年02月17日 07:01 おたくま経済新聞
バレンタイン当日の2月14日午前4時50分――
「いいか 娘の彼氏よ よく聞くんだ 恐らくは今日 貴様が食べているチョコタルトを作ったのは俺とセブンイレブンなんだ」
こんな言葉がTwitterに投稿されました。どうやら、娘が彼に贈るチョコレート菓子を父がかわって手作りしたもよう……。
投稿者は、ネットを中心に手作り七味唐辛子を販売しているSHALEE’S SPICE「ひよこ印七味唐辛子」(@shalees048info)中の人のシャリさん(@shaleed)。
「料理は得意」と公言するとおり、過去にもフルーチェを生クリームでつくるというアレンジレシピで、Twitterを賑わせたことがあります。この時のレシピは「いい感じに滑らかなムース状になっていいおっさんがニヤニヤするくらいうまい」というコメントともに、約20万いいねを獲得。
そんな料理上手なお父さんが発した今回の投稿……。詳しい事情をシャリさんに聞いてみました。
そもそもバレンタインチョコの手伝いは長女さんにはじまり、次女さんとあわせて「5回くらい」とのこと。今回は次女さんの彼氏さんのためのものだったそうです。
「最初は手伝って欲しいと依頼されていたのですが去年くらいからは勝手に自分からノリノリでやってる感じです」とシャリさん。
昨年(2019年)も今回と同じく、次女さんの彼氏さん向けチョコレートを手作りしました。その際には言葉どおりノリノリがすぎて、ラッピングやフレーバーにもこだわり、数種のチョコ菓子が完成。
完成したのは2019年2月14日午前0時頃。当時、あまりの出来映えのよさと達成感、そして深夜という時間もあって不思議な高揚感につつまれたようです。さらに調理中の慌ただしさの影響からか、気分はドラマ「24」のジャック・バウアー状態に。
その勢いのまま思わず……下記の文章を写真とともに投稿。次よりシャリさんの語りは小山力也さん(「24」ジャック・バウアー役、キーファー・サザーランドさんの吹き替え声優)の声で脳内再生してください。
「いいか、娘の彼氏よ よく聞くんだ 恐らくは明日 貴様がおいしいおいしい食べているチョコを作ったのは この俺なんだ 無駄にこだわってしまって色んなフレイバーをしこんでいる 本当にすまない」
すると0時24分という深夜の投稿にも関わらず、あっという間に1万2千RT、約2万のいいねを獲得するほど大拡散されてしまったのです。
「僕がチョコを作ったツイートをしてうっかりバズってしまい、まんまと(次女の彼氏に)バレました」と後のエピソードを教えてくれました。
「いいか 娘の彼氏よ よく聞くんだ 恐らくは今日 貴様が食べているチョコタルトを作ったのは俺とセブンイレブンなんだ。時間が無かったからお菓子とおつまみナッツをチョコに混ぜただけの手抜品だ「隠し味に塩気があってうまい」そりゃそうだろうソレおつまみだし。今年もこんな事になって本当にすまない」
それから1年後の2020年2月14日午前4時50分。上記のツイートが再びTwitterに投稿されました。
今回は、昨年オープンしたばかりの「ひよこ印七味唐辛子」通販業務の影響から、大事な大事なバレンタインデーの準備がしっかりできなかったようです。
そこで急遽、セブンイレブンにてベースとする「濃厚チョコタルト」やデコレーション用チョコを購入。晩酌用の燗酒をあたためる鍋で同時にチョコを湯煎。深夜コツコツ酒をのみつつ、通称「義父チョコ」を完成させたのです。ついでにおつまみナッツも混ぜながら。
昨年の拡散のおかげで次女さんの彼氏さんにバレてしまったシャリさん。今回記事で紹介するにあたり、現在の彼氏さんとの関係についても聞いてみました。
すると「今では娘の彼氏君も僕のフォロワー」というまさかの回答。現在は娘の彼氏であり、フォロワーでもあるという素敵な関係を築いているそうです。つまり今回のツイートは娘の彼氏にあてたダイレクトなメッセージだったもよう。ちなみに「彼もまた特別な存在」ともその関係の深さについても教えてくれました。素敵なお父さん!
そしてもう一つ気になることも聞いてみました……貰った側の彼氏さんの反応は?
「基本的にはとても喜んでくれているようなので来年も悪ノリをすると思います」と、来年の継続も宣言しています。
シャリさん手作りのチョコレートはTwitterのコメント欄で盛り上がりを見せ、義理チョコならぬ義理の父が作る「義父チョコ」という名前が付けられています。実際にはこの先どうなるかは、神のみぞ知るというところでしょうが……来年の「悪ノリ」も大いに期待してしまいます。
<記事化協力>
SHALEE’S SPICE「ひよこ印七味唐辛子」(Twitter:@shalees048info/HP:shalees.thebase.in)
シャリさん(@shaleed)
(宮崎美和子)