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英音楽賞で“ヒーロー賞”受賞のラッパーが大暴れ 観客にマイク投げ乱闘寸前に

2020年02月15日 13:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

“暴れん坊ラッパー”のスロウタイ(画像は『tyron.(slowthai) 2020年2月4日付Instagram「america, i introduce to you... slowthai」』のスクリーンショット)
現地時間2月12日、ロンドンのブリクストンにある「O2アカデミー」で英音楽賞「NMEアワーズ」が開催された。当日、年間ヒーロー賞(Hero Of The Year)を受賞した英人気ラッパーのスロウタイ(Slowthai)が観客の言葉に逆ギレして大暴れする一幕があった。プレゼンターの女性にセクハラ発言を放ったり客席にマイクやグラスを投げて暴言を吐くなどし、会場は一時騒然となった。

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「NMEアワーズ」授賞式で年間ヒーロー賞を受賞したスロウタイ(25)はステージに上がり、プレゼンターを務めるカナダ人コメディアンのキャサリン・ライアン(36)から温かく祝福された。

この日、スロウタイはステージ上でキャサリンに対してセクハラめいた言葉を連発した。胸元が大きく開いたドレスを着たキャサリンの胸元に顔を近づけたり、女性器を思わせるみだらな言葉を放つなどして、観客にショックを与えたのだ。

「ベイビーガール。」
「俺のコロンの匂いを嗅いで。いい匂いだろ?」
「俺みたいなプレイをしてくれる奴は、ほかにいないぜ。」

この行動を見ていた客席から「女性差別だ!」というヤジが飛んだ。スロウタイはこの言葉に逆ギレし、観客に向かって暴言を放ち始めた。

「女性差別だと? 俺は平等主義なんだ。ジョークが分からないなら座ってろ。」
「俺のスピーチを台無しにしてくれて、どうもありがとな。」

そう言い放った後、客席に向けて勢いよくマイクを放り投げた。しかしこのあと観客が「クズ野郎!」と叫び、マイクをスロウタイ目がけて投げ返した。するとスロウタイはシャンパングラスを床に叩きつけてステージから飛び降り、ヤジを飛ばした客に向かっていったが、すぐさまセキュリティスタッフらに拘束された。

プレゼンターのキャサリンは、スロウタイが卑猥な言葉を連発する間も「あなたは、今まで会った中で一番ホット(セクシー)な人みたいね。うちのベビーシッターより若いんだもの」などと返し大人の対応をしており、暴れん坊ラッパーを上手に手なずけた彼女に称賛する声もあがっているようだ。キャサリンは後日、自身のツイッターで今回の出来事についてこうコメントしている。

「彼は私に不快な思いをさせなかったわ。パワーのある地位に、女性が必要だってことが分かったわね。」
「私は、彼が口を開いた瞬間に“負けた”ことは分かってた。コミックブックに出てきて悪態をつく奴っているでしょう。あれといっしょよ。“女性”じゃなくて“コミック”にね。」
「彼の行動は私がほとんどコントロールしたのよ。なんてスイートな男の子なんでしょう。私が彼をなだめたのよ。」

その後、スロウタイは自身のツイッターで「エスカレートしすぎで、恥ずべき行動だった」とキャサリンへの謝罪コメントを公表した。自分は「ヒーローではない」と言い、年間ヒーロー賞はキャサリンに譲りたいと申し出ているという。

なおスロウタイは昨年9月に開催された「マーキュリー・プライズ」授賞式でも騒ぎを起こし、英各紙が大きく取り上げた。ステージ上でボリス・ジョンソン英首相の頭を切断した人形を抱え、Fワードを叫びまくったのだ。

これに対しジョンソン首相は「実際には“Back Boris(ボリスを支持する)”と言っていたが、音響の具合で上手く聞こえなかったみたいだね」とダジャレ(F**kとBack)で一笑に付していた。



画像は『tyron.(slowthai) 2020年2月4日付Instagram「america, i introduce to you... slowthai」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)