一度会社に対する信用を失うと、モチベーションを上げることは難しくなるものだ。そうしたことが退職につながるケースは少なくない。IT系技術職の20代女性キャリコネニュース読者からは、
「仕事を終えても達成も湧かず、喜びも湧かず、未来のことについて考えなくなった」
と綴る。管理・事務職の20代女性も、照明技術業界にいたがバーンアウトした1人だ。当時は舞台照明として日々の練習を重ねる演者たちを陰ながら支えていた。ところが会社側の考え方は違ったという。
「いかに最低限の労力で金儲けだけを考えている代理店、自分が楽するために作品のクオリティを落とす同業者など、演者や観客のことを何一つ考えない環境に嫌気が差しました。いつの間にか業界自体が嫌いになり、演者や観客の人生を背負う責任すら逃れたいと思うようになりました」
結局、そのギャップに耐えきれず退職を決意。女性は「私じゃなくても良い仕事、他人の人生を背負わない仕事」を探した結果、現在の会社に転職している。(文:鹿賀大資)
「子どもたちの前ではマイボトルのお茶も飲めず、日々の日誌を書く時間も取れません」
新設の認定こども園に勤める30代女性は、過酷な日常を明かす。園児たちのお昼寝タイムに合わせて職員も休憩をとることになっているが、連日の会議や打ち合わせで休めないという。職員にかかる負担は、それだけにとどまらない。女性は担任を受け持っていたが、
「子どもたちの前ではマイボトルのお茶も飲めず、日々の日誌を書く時間も取れません。特別支援枠の子の担当は主幹の仕事でしたが、実際は担任が補助に入り日誌も書いていました。行事の小道具なんかも一人で作らされます」
という。結局、ストレスで体調を崩した。園に抗議をすると仕事から外され、その際には「みんなあなたとは組みたくないと言っているので、来年は担任を持つことは無いと思う」とあからさまなパワハラも受けた。
「休憩もなく仕事量は倍以上の挙句いじめ。こんな職場で幼児教育なんか語っちゃいけないと思いました。退職の旨を伝えた際に、年度終わりまでは残った方がいいかと聞くと『どうしてもって言うんならいつでも』と言われました」
職場の対応に、女性は「子どものことなんか1ミリも考えてない園長に呆れました」。自分の価値観がおかしくなる前に辞めようと思った」と綴る。
「お前の意見は聞く価値が無い」
東証一部上場の会社で営業職の40代男性は、元部長だった同僚の退職について明かす。同僚は社長のパワハラ発言に退職を決意した時のことだ。その日は社長の怒りが収まらず、会議で一方的に怒鳴り散らしていた。
「部長らに対し『黙れ!死ぬまで裁判してやるから印鑑証明付きの辞表を出せ』とまくし立てていました。挙句の果てには『専務ごときが何をほざくか!』とエスカレート」
同僚が少しでも意見をしようものなら「おい、今何て言った?こいつをここ(社長室)からつまみだせ!二度とここに入れるな!」と秘書に命令していたという。それでも同僚に対する怒りは収まることなく、再び秘書に「こいつを金輪際呼ぶな!」と命じた。それに応じた秘書は同僚を退室させたという。
この社長、同僚が部長に昇進する以前も「中途採用の分際で」「お前の意見は聞く価値が無い」と暴言を吐いていた。
「社長にはお気に入りの部下がいて、それを何かと出しては『俺が信じるのは○○の言葉だ。俺にとっての真実は○○の意見であり、お前は存在価値もない』と言われたそうです」
新卒か否かで評価が変わるどころかこのような言い方をされると、退職を決意するのも無理はない。
※キャリコネニュースでは引き続き「会社を辞めようと思った瞬間」や「ウチの会社のホワイト自慢」に関するアンケートを募集しています。