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株価低迷の三陽商会に身売り提案か、米ファンドが事業立て直しを要求

2020年02月12日 13:53  Fashionsnap.com

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三陽商会が昨年オープンした「GINZA TIMELESS 8」
三陽商会に、同社の株式約5%を保持する米国の資産運用会社RMBキャピタルが身売りの検討を求めたとブルームバーグが報じた。三陽商会は、バーバリーライセンスを手放して以来、新規ブランドの立ち上げや新規ライセンス展開が不調で赤字決算が続き、株価低迷が長期化している。
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 報道によると、RMBキャピタルが昨年12月に三陽商会の経営陣に対し、書簡で会社売却を提案。文書では、2018年の希望退職募集や広告宣伝費増加など戦略的に投資を行ったにもかかわらず業績は回復せず、資本が大幅に毀損したと指摘。優秀な社員などの価値ある資産を守るほか、成長に向けた投資が今後も不可欠とし、より大きな資本の傘下で長期的な事業立て直しを図るべきだと主張している。売却先候補は戦略的パートナーや他のアパレルメーカーなどとしているが、具体名には言及していないという。
 三陽商会はFASHIONSNAP.COMの取材に対し、RMBキャピタルから書簡を受け取ったことを認め、その後IRミーティングを行ったことを明らかにしたが、詳細については現時点ではコメントを差し控えた。なお今回の報道を受けて、三陽商会の株価は前営業日比18%高の1,512円まで上昇した。
 三陽商会は2015年6月末で、40年以上にわたり継続してきた英国バーバリー社とのライセンス契約が終了。以降は業績不振が続き、2020年2月期通期業績も赤字を計上する予定で、予想通りとなれば4年連続の赤字決算となる。
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