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“勇者”は“魔王”佐藤健の恋人に昇格! 『恋はつづくよどこまでも』公私混同問題にどう対処する?

2020年02月12日 13:02  リアルサウンド

リアルサウンド

『恋はつづくよどこまでも』(c)TBS

「仕事だ、恋愛だ、きっちり分けないで……日々の混乱を楽しむ。心に線は引けないもんね」


 回を重ねるごとに胸キュンな展開で盛り上がりを見せる火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)。第5話は、ついに“魔王“こと天堂(佐藤健)の心を、“勇者“の七瀬(上白石萌音)が射止める。


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 自分をかばう形で、ケガをした七瀬に「キスでもデートでもなんでもしてやる」と約束した天堂。その約束を守る形で七瀬に不意打ちのキスをする。これには七瀬も目が点状態。しかし、玄関のドアまでたどり着くと、堰を切ったように「私にとっては1回目で……だって普通、彼氏とするものだと思うから……このままじゃ、明日から仕事なんてとても無理です!」と訴える。すると、天堂の口からは「なら、彼氏になってやる」の言葉が。


 あまりに嬉しい急展開に、放心状態の七瀬。さらに天堂から「俺は仕事とプライベートはちゃんと分けたい」「病院では必要以上に話しかけるな」「俺を見てニヤニヤするな」「それから……職場では、誰にも言うなよ。仕事がやりにくくなる。公私混同するな。わかったな」と、ぶっきらぼうに言い放つ。


 だが、その関白宣言こそが“天堂先生が彼氏になった“という実感を生む。この吉報を全世界に知らせたい! でも「2人きりの秘密」という甘美な響きもたまらない。七瀬は思わず、ベッドでバタバタと悶えるのだった。


 翌日、職場では天堂の言いつけを守り、気を引き締める七瀬。七瀬の良いところは、天堂への想いが強まるほど、仕事に身が入ることだ。いつか天堂を支えられるくらいの技術を持つ立派なナースになりたい、と恋のエネルギーを自己研鑽に向けることができる。


 そんな矢先、主任ナース・根岸(平岩紙)の息子が入院してくる。一層、張り切る七瀬は手術の介助に名乗り出るが、根岸はベテランのナースに任せたいと天堂に涙ながらに訴えるのだった。七瀬の頑張りと根岸の親心に挟まれた天堂は、根岸の意向を優先。結果、七瀬を傷つけることになる。


 「公私混同しているのは、先生のほうじゃないんですか?」。悔しさのあまり、そんな感情的な言葉を発してしまう七瀬。確かに、根岸の言動は公私混同と呼べるかもしれない。患者が自分の息子ではなかったら、主任として経験を積んでほしいと願いながら、七瀬にその任務を任せていたはずだ。しかし、それが患者の親となるとローキャリアの七瀬に任せるのは不安がよぎる。自分の大切な子どもの命を、新人ナースの経験の1つになんてしてほしくない、と。


 主任としての行動と、個人としての行動がズレてしまうこと。その判断が独りよがりになっていることに気づかないこと、それこそが公私混同するリスクだ。たしかに、七瀬は天堂への好意を職場に持ち込んでいるが、それゆえに患者に対する行動が変わることはない。もしかしたら根岸も、天堂にだけ本音をぶちまけるのではなく、もっと七瀬と向き合って、その率直な思いを小出しにし、公と私の感情を冷静に整理していれば、誰も傷つけずに済んだかもしれない。


 だが、それがなかなかできないのが人間だ。そもそも人は私的な感情を抜きに生きることは、無理なのだ。好きや、不安や、嫉妬、忘れられない記憶……様々な思いを抱えながら、目の前の任務に当たる。天堂のようにプライベートと切り分けられているように見える人が、実はバレンタインデーのチョココロネに七瀬の笑顔を思い浮かべているかもしれないのだ。


 人の心に線は引けない。仕事も、恋愛も、同じ人生の上にある。片方がうまくいくと、不思議ともう片方がよく回りだすこともあるように、日々のやるべきことと感情は連動している。どこか白黒つけがちな現代に、気持ちのいい“公私混同“を! そんなポジティブなパワーをもらえるのは、王道なラブコメならではではないだろうか。


 天堂が「俺の彼女」と公言し、いよいよ“勇者“から“恋人“へと昇格した七瀬が、さらなる強敵が出現する予感。大人の女性として、ナースとして、さらにレベルアップすることができるのか。そんな七瀬と接する中で、天堂はどう変化していくのか。ますます目が離せない。


(文=佐藤結衣)