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フェデラー vs ナダル、南アのチャリティマッチにテニス史上最多の観客動員数

2020年02月12日 10:12  Techinsight Japan

Techinsight Japan

試合後に健闘を称えあう両選手(画像は『Tennis TV 2020年2月8日付Twitter「Great rivals. Greater friends」』のスクリーンショット)
南アフリカのケープタウンで2月7日、テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラー(38)とラファエル・ナダル(33)のチャリティマッチ「Match in Africa」が開催された。“最大のライバル”でもある2人のビッグマッチはテニス観客動員数の最多記録を樹立、寄付金も日本円にして3億8千万円が集まり大成功を収めた。

南アフリカでの試合は初めてだったロジャー・フェデラーだが、自身が立ち上げている基金が南部アフリカの子供たちを対象にしていたこと、そして母親のリネットさんが南アフリカ出身だったこともあり思い入れのある国だったという。それだけにフェデラーの南アフリカ訪問は現地の人々にとっても特別なものだった。

フェデラーは3年前からこの企画を考えており、対戦相手は「最大のライバルであり、最高の友人」のラファエル・ナダルに決めていたようだ。グランドスラムで優勝20回のフェデラーと優勝19回のナダルの対決を見ようと、昨年9月に発売されたチケットは10分で売り切れるほどの人気ぶりであった。

7日の夜7時過ぎ、イベントはダブルスからスタート。ロジャー・フェデラー&マイクロソフト創業者ビル・ゲイツのペアと、ラファエル・ナダル&南アフリカ出身のコメディアンでアメリカで活躍するトレバー・ノアのペアという大物対決だ。また試合前のコイントスでは、フェデラーの母リネットさんが登場して観客を沸かせた。計算されたショットを狙うビル・ゲイツに対して、体は動かないが口だけは動くトレバー・ノアは観客を笑いの渦に巻き込んだ。そしてフェデラーとナダルによるショットやラリー、突然ボールガールにゲームをさせるアドリブなどチャリティマッチならではの光景も見られた。

ダブルスではフェデラー&ビル・ゲイツペアが勝利をおさめると、次はナダルとフェデラーの大物対決がスタート。コイントスにはラグビーワールドカップで優勝した南アフリカチームのキャプテン、シヤ・コリシ選手が登場した。コリシ選手はフェデラーにラグビーシャツをプレゼントするなど、スポーツレジェンドの交流に観客の興奮は最高潮に達する。試合は6-4、3-6、6-3でフェデラーが勝利したが、最後はナダルがネットを飛び越えてフェデラーと抱き合い、お互いの健闘を称えていた。

2019年11月にメキシコシティで行われたロジャー・フェデラーとアレクサンダー・ズベレフとのチャリティマッチでは、観客動員数が4万2517人でテニスの試合における最多観客動員数を記録した。しかし今回の観客動員数は5万1954人で昨年の記録を塗り替えた。

さらに今回のイベントでの寄付金総額はおよそ350万USドル(約3億8千万円)にのぼり、南部アフリカの子供たちへの教育およびスポーツのために設立された「ロジャー・フェデラー基金(Roger Federer Foundation)」に寄付される。

フェデラーは試合後に「忘れられない夜だ。素晴らしい支援をしてくれたすべての人に感謝している」と述べ、12歳の時に南アフリカでプレーしたことのあるナダルも「素晴らしいスタジアムで、素晴らしい観客の前で試合ができたことは、一緒の思い出」と語った。

試合中も笑顔を絶やさず、時折観客を見渡して微笑んでいた2人。心の底からイベントを楽しんでいるようであり、それがファンにとって一番の見どころだったかもしれない。

画像は『Tennis TV 2020年2月8日付Twitter「Great rivals. Greater friends」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)