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コロナウイルス流行でマスク不足のなか“鼻だけフィルターする”変なマスクが登場

2020年02月10日 07:31  リアルサウンド

リアルサウンド

Kickstarter, YLEより

 少し前に「顔の隠れない“未来のマスク”」というガジェットを紹介したが、今回もまた一風変わったマスクをお届けしたい。


(参考:メルカリ、マスクの出品・購入急増にアナウンス 商品の削除・利用制限等も示唆


・コロナウイルス流行の中で
 現在はコロナウイルスが流行していることもあり、マスク需要が拡大している。YLEの報道によれば筆者在住のフィンランドでも、マスク会社Lifa Airなどは急なマスク需要の増加に対応しようと悪戦苦闘しているようだ。


 Kickstarterでも、需要があればそこが狙い目、とばかりにKickstarterでも複数のマスクキャンペーンが出てきた。片方はそこまで面白みのない平凡な見た目のマスク。そしてもう一つが今回紹介の、着用するとなにかのコスプレをしているかのように見える「Archon Mask」だ(もっとも、どちらもあくまでも大気汚染から守るためのマスクであることを重点的にアピールしているが)。


・鼻だけ守るフィルターマスク
 Archon Maskの面白い見た目を造りだしているのは、その限定的な防護性能だ。鼻に入り込む空気のフィルタリングに特化した製品で、口は守られないし、着用者が咳をしても飛沫は飛び散るがままだ。この点は「鼻マスク」や「ノーズマスク」と言われる鼻の穴に突っ込むマスクに似ているとも言えよう。それらと同じく、口呼吸ではマスクの意味が無いと言うことには注意しないといけない。


 だがそれらと異なるのは(よりあからさまな見た目だけで無く)、より大きく多層構造のフィルターと、鼻の穴に入れ込まなくても良いという点だろう。Archon Maskは頬のあたりに配された4層のフィルターにより花粉、PM10、PM2.5、匂い、有毒ガスなどを濾過。鼻から出た空気は鼻の横の排出口から出るようになっている。耳の上下を後ろ向きに伸びた調節可能ストラップで装着する仕組みで、体の穴にものを突っ込むとどうしても違和感を感じるから鼻マスクは嫌だという人でも、問題なく使用できる。


 『ダークナイト ライジング』のベインのように、マスクのせいで喋っていることが聞き取りづらいなどということもなく、スパイダーマンのようにマスクを外してキスをする必要もない。口元の表情も見えるし、マスクを外さずに食べることもできる(食べ物の匂いは判らなくなるかもしれないが)。メガネを曇らせることもなければ、自分の吐き出した空気を吸うこともない点なども、普通のマスクと比べて優れた点だ。


・それでも見た目が奇抜すぎ?
 より目立たない鼻マスクであってもやはり鼻から出ている点は周りの人に見えるものだし(『バトルフィールド・アース』とか『ウルトラヴァイオレット』のような映画作品ででてくる鼻マスク系ガジェットも結局目立つ存在だし)、鼻から変なモノがにょろっと出て見えるよりは、もっとわざとらしくSFっぽいマスクがあった方が良い、という人にはArchon Maskが適しているだろうか。


 そうはいっても、ゲーム「ソニック」シリーズのドクター・エッグマンの髭みたいな巨大な物体で顔を大きく覆ってしまうというのは、多くの人に取って購買意欲を削ぐ点かもしれない。


・クラファンは苦戦中
 アーリーバード向けリワードオファーは約3900円、通常リワードは約4500円から。一応ファッション性も考慮してかカラーバリエーションは「ブラック」、「ブラック+グレー」、「ターコイズ」、「ミックス・ピンク」の4色が展開されている。


 クラウドファンディングの世界で成功・失敗を分ける要因は製品の見た目だけでなく、広報の仕方など様々にあり、一概に断定はできない。それでもKickstarterで同時期にキャンペーン中の平凡な見た目のマスクは、目標金額の400%以上となる600万円の資金を集めているが、Archon Maskの方は記事執筆現在で40万弱という控えめな資金目標に対し、僅か4%である1.6万円しか集まっていない。これを見ると、やはり見た目が奇抜すぎてダメな人が多いのかな……などと思ってしまう。個人的にはこんなマスクを皆が着用する未来も見てみたいものだが、読者の皆様はどう思うだろうか。


(Yu Ando)