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YouTube、2019年の収益額はなんと1兆7000億円 Googleが初公表

2020年02月09日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 米Googleの持株会社であるAlphabetは2月3日、2019年の決算を発表し、初めてYouTubeの収益を公開した。


(参考:YouTube「子供向けコンテンツ」規制強化、米国でも混乱広がる 収益は最大で90%減に?


 同社の2019年における総収益が1618億5700万米ドル(約17兆7910億円)なのに対して、YouTube広告は151億4900万米ドル(約1兆6650億円)で、総収益の9.3%を占める。YouTubeの2019年第4四半期の収益は47億米ドル(約5170億円)で、引き続き好調だ。


 Alphabetの総収益は、2017年に1108億5500万米ドル(約12兆1850億円)、2018年に1368億1900万米ドル(約15兆370億円)という経過を辿っているのだが、YouTubeは2017年に81億5000万米ドル(約8960億円)、2018年に111億5500万米ドル(約1兆2260億円)と2年間で倍増しており、全体よりも高い成長率を示している(参考:https://abc.xyz/investor/static/pdf/2019Q4_alphabet_earnings_release.pdf?cache=79552b8)。


 YouTubeは2005年に設立され、2006年に16億5000万米ドル(約1810億円)でGoogleに買収された。現在は上記の数字からわかるように、広告を伴う動画市場で大きなシェアを誇り、Googleにおける重要な事業の柱になった。


・改めてわかる、超巨大広告媒体としてのYouTube
 『The Hollywood Reporter』は「YouTubeという広告マシンがどれだけ大きいか初めて明らかになった。新たに発表された数字は、YouTubeが非常に成長していることを示す」と伝えている(参考:https://www.hollywoodreporter.com/news/youtube-revenue-revealed-video-site-did-151b-2019-ad-revenue-1276004)。


 同記事によると、Alphabet CFOのルース・ポラット氏は「弊社のビジネスと今後の機会について更なる洞察を提供すべく、検索、YouTube広告、クラウドといった細分化した基準で収益を開示している」と述べている。なお、この数字は動画に流れるYouTube広告についてであり、YouTube Musicなどのサブスクリプションによるものは含まれていない。


 GoogleとAlphabetのCEO、サンダー・ピチャイ氏は、YouTube TVストリーミングバンドルに200万人以上の加入者が、YouTube MusicとYouTube Premiumには2000万人以上の有料加入者がおり、これらサブスクリプションの収益は、年間30億米ドルにもなると説明している。


 ちなみに、Netflixの2019年の収益は、201億米ドルで、その大半がサブスクリプションによるものだが、YouTubeはサブスクリプションにおいてNetflixの約7分の1ながら、広告ではNetflixの7倍以上も稼いでいる、というわけだ。


・規制強化も増収、勢いはさらに加速へ
 2019年のYouTubeは、子供向け動画の基準厳格化や、13歳未満から個人情報を収集することを禁止した、米国の児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反したとして告発され、それに伴うターゲット広告の非表示も発表したにもかかわらず、収益は増加している(参考:https://www.time24.news/b/2020/02/unspecified-data-google-reveals-youtube-revenue-with-advertising-in-2019.html)。


 これらの数値を見る限り、2020年も、YouTubeの勢いが止まる気配はなさそうだ。


(Nagata Tombo)