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『ドラ恋~Bang Ban Love~』第3話ーードラマも現実も三角関係に!? 圧巻の演技と女性陣の輝き

2020年02月09日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

『恋愛ドラマな恋がしたい~Bang Ban Love~』(c)AbemaTV

 新メンバー加入によって7名体制となったAbemaTVオリジナル番組『恋愛ドラマな恋がしたい~Bang Ban Love~』。さらに、恋愛ドラマの脚本にも、大樹の彼女役として日向梨花という新たな主人公が加わった。内容は、兄・大樹の家に転がり込んだ妹・恵子だったが、そこに梨花がやってきて、三角関係が始まるというもの。


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 つまり、今回のオーディションでは、主役として男女3名が選ばれることに。なお、大樹とキスする相手は梨花となる。


 各ペアごとに稽古に取り掛かるが、わかな(若菜)×ほくと(南北斗)ペアは、エチュードに引き続き、良い雰囲気。キスシーンの稽古で冷静を装うほくとに、スタジオからは「真っ赤な(赤面の)ポーカーフェイス」「かわいい」という声が飛び交っていた。チワ(千綿勇平)は相変わらずひらりー(平田梨奈)の役作りの設定やキャラクター像についてアドバイスを送る。そして気になる三角ペア、みこと(日比美思)×たすく(井上佑)×はづき(木村葉月)。時間を区切って、それぞれのペアごとに練習することに決まり、最初は早くみことと二人になりたそうだったたすくも、次第に3人という空間に少し気まずそうな様子を見せた。


 今回のオーディションは、どのペアが選ばれるのか明らかだったように思う。


 何だかやけに芝居がかったチワとひらりーペア。二人の間に色香は一切漂っておらず、大げさな感情のぶつけ合いでいわゆる“男女の機微”からは程遠かった。澤田(育子)先生の指摘「チワさんの演技は、型にはまっていて、面白くない」にも頷ける(舞台をメインに活躍してきたからこそだと思うが、声の張り方や動きがやけに大きく、それを恋愛ドラマに持ち込むとなんだか古めかしい印象になってしまう)。


 続いて、ほくと×わかなペア。初回では、妹・恵子への想いに蓋をする兄としての大樹役だったため、ほくとの感情を全面に押し出さない引きの演技が役にもマッチしていた。だが、今回は彼女とキスをする“彼氏としての大樹”。そうなると、これまた澤田先生のご指摘通り、「彼女が家に来てくれて嬉しいなどの感情のアップが見えない」は実に的を射ている。


 そして、大樹×梨花カップル役の座を掴んだのは、たすく×みこと。スタジオのPerfumeあ~ちゃんも「みことちゃんの演技好きだわ~」としきりに絶賛していたが、みことの役への憑依っぷりは圧巻だ。それに、実際にみことに好意を寄せるたすくの素直な想いが呼応する形で、互いに良い部分を引き出し合えている。みことのすごいところは、自分の方が芸歴が長く、歌手としても『NHK紅白歌合戦』にまで出場したことがあるという圧倒的な実績を携えながら、演技経験ゼロの年上のたすくに負い目を感じさせずに、上手に彼の持ち味を引き出しているところではないだろうか。もちろんそれを素直に吸収できるたすくも素敵だ。たすくは、みことが3名の男性陣の中から好きな相手を選べる状況下で、自分を選んでくれたことに自信を持ち、女性としてだけでなく、プロの役者としての彼女の想いにも応えたいという感情が、自然に芽生えたのではないかと思う。


 妹の恵子役は、初回に引き続き、はづき。引き続き主役に選ばれるも、「みことちゃんに負けたくなかったから悔しい」と浮かない表情を浮かべる。たすくは「正直3人は気まずいっす。お互いに気を遣って、3人でいても誰も話さないみたいな。実際のストーリーも三角関係じゃないですか。これから恵子と梨花の女子のドロドロを見るのはしんどいっすね」と本音をこぼした。リハーサルのときも、はづきはたすくの前髪を整えるなど、積極的に距離を縮めようとする。その光景を居心地が悪そうに眺めるみことは、複雑な表情を見せた。初回同様に、役者たちが、配役通りのシチュエーションに自然に陥っていくのが見事である。


 キスシーンのリハーサル前に、たすくとみことは、収録場所の海沿いから少しだけ離れ、二人きりで話す場面があった。みことは「緊張する?」と尋ね、はにかむたすくに「ドキドキする」と呟く。そして、「恵子ちゃんを好きな役だから、本当にそうなのかなって思っちゃった」とたすくに心配事をこぼす様子が、とてもキュートだ。続けて「キスシーンの相手がたすくくんで良かった」とダメ押し。これは、みことにとって最大限の攻めた発言だったはず。女子の勇気ある一歩は、こうも尊いのかと、恋愛リアリティーショーならではの楽しみを満喫させてくれる。


 脚本が良く出来ているのはもちろんだが、そこにみこととたすくの互いに惹かれ合っている等身大の気持ちも相まって、彼らにしか出来ないであろう大樹と梨花の世界観が見事に生み出された。二人がキスするところを見てしまい、涙する恵子役のはづきの演技力も言うまでもなく凄まじいし、撮影後に「二人がお似合いで、カップルって感じがして、超えられない兄妹の壁を見せつけられた」と嘆く彼女の感受性もまた眩しい。


 年齢以上に落ち着いていて、客観的な視点を持ち、負けず嫌いなはづき。だが、彼女が本当に強いのは“負け”を認められるところではないだろうか。自分から積極的に行動し、相手のリアクションからも目を背けない。これを恋愛でも仕事でも自然に出来るのだから、彼女は実に魅力的だ。


 澤田先生からの男性陣への演技指導が目立つことからもわかる通り、今回のメンバーは女性陣の方が頼もしい印象である。男性陣が、演技面でも恋愛面でもそれぞれの殻を破ってくれることを願うばかりだ。そんな期待も込めて、第4話も見守りたい。(文=楳田 佳香)