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103歳で死去した名優カーク・ダグラス、100歳の誕生日に「寂しい」と語っていた

2020年02月08日 17:02  Techinsight Japan

Techinsight Japan

「長生きし過ぎることは少し悲しい」と生前に語っていたカーク・ダグラス(2013年撮影)
現地時間2月5日、ハリウッドの名優カーク・ダグラスが老衰のためビバリーヒルズの自宅で亡くなった。愛する家族“ダグラス一族”に囲まれ、ハリウッド映画に情熱を捧げた華やかな103年の生涯だった。ハリウッドの伝説と呼ばれたカークだが、実は100歳の誕生日直後のインタビューで「寂しい」という気持ちを打ち明けていたのだ。

カーク・ダグラスは、1916年12月9日に米ニューヨーク州にある都市アムステルダムで誕生した。2016年に100歳の誕生日を迎えた直後、インタビューに応じ「長生きし過ぎることは少し悲しい」と語っていた。

2016年に100歳になったカークは、同期の俳優達が先に天国へと旅立ってしまい寂しい思いをしていたという。

「私は今100歳だ。ハリウッドの記事を読んだが、彼らのことを知らないのだ。バート・ランカスターはどこへ行った? ローレンス・オリヴィエは? 皆、旅立ってしまった。彼らが恋しい。寂しく感じるよ。」

これまでに数多くのハリウッド映画に出演してきたカークだが、元々は映画ではなく舞台俳優を目指していたそうだ。だがカークは思わぬきっかけで、ハリウッドへの道を進むようになったのである。

「映画俳優になりたくはなかった。自分は舞台俳優だと信じていたから。最初に仕事をしたのはブロードウェイでね。ベティ・バコール(女優ローレン・バコールの本名)が手助けしてくれた。彼女はハリウッドに行き、ハンフリー・ボガートと一緒に住んでいた。そして(映画プロデューサーの)ハル・ウォリスに“カーク・ダグラスに注目すべき”と言ってくれて。ハル・ウォリスはニューヨークに来て、私と契約してくれた。どうすべきか分からなかったが、とりあえずハリウッドへ向かったよ。金が必要だったからね。」

100歳の誕生日を迎えた日には、ビバリーヒルズホテルのプライベートルームで祝賀パーティーが開催された。長男のマイケル・ダグラスと彼の妻キャサリン・ゼタ=ジョーンズをはじめとするダグラス家のメンバーや、ハリウッドの著名人ら135人が集まった。

カーク・ダグラスの両親はロシアから移住したユダヤ人で、幼少時代は貧困生活で大変苦労した経験を持つ。ハリウッドで成功した後の彼は、チャリティー機関などに多額の募金をしていた。

「ほとんどの収入を募金したよ。そうすることで喜ばしく感じるから。両親はロシアから移住したが、現在なら入国できなかったかもしれない。感謝すべきことがたくさんあるね。」
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)