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水溜りボンドの引っ越しを機に振り返る、歴代“水溜りハウス”で生まれた伝説たち

2020年02月07日 11:01  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

 2015年1月1日より欠かさず毎日投稿を続けている、トップYouTuberコンビ・水溜りボンド(カンタ・トミー)。チャンネル立ち上げ当初は、母校の大学の空き教室や後輩の部屋で動画撮影をしていたが、2016年に撮影用の1ルームを借り、企画の幅を広げた。そして、2017年、“水溜りハウス”として1軒屋を借りることに。その後も動画のクオリティや自分達がやりたいことを叶えるため、“水溜りハウス”はグレードアップしていくのだが、“拠点”を持つことによって生まれた伝説とも言える動画は数多く存在する。


(参考:水溜りボンド『ANN0』密着&インタビュー:止まらない二人が見据える“コンビとしての未来”


 YouTuberにとって、撮影用の部屋や家を借りることは動画内の雰囲気の固定や動画内容に直結する。そのため、「撮影部屋」の重要性は、いまやYouTuber側だけではなく視聴者にも認知されている。ただ、その場所を撮影だけではなく、日々の居住空間としても使い、ましてやコンビで一緒に住んでいたYouTuberは他にいないのではないだろうか。


 約4年間、撮影と居住を共にしてきた水溜りボンドも、2019年12月28日に投稿された「【報告】家を引越します。」動画内で、2020年より二人の家を別々に分けることを発表。今回はそれを機に歴代の“水溜りハウス”が生んだ伝説の動画を紹介したいと思う。


 まず、2017年に住んでいた1軒屋の民家である“水溜りハウス”で生まれた伝説の動画、「帰宅した瞬間に階段からスーパーボール10000個が地獄すぎた」。それまでも、やってみた系や都市伝説、実験系など様々な分野に挑戦していた水溜りボンドだが、2階建の1軒屋という自分達の拠点をフルに活かしたこの動画によって、“水溜りボンド=ドッキリのかけ合いがめちゃ面白い”という方程式がガッチリと世間に証明されたのではないかと思う。玄関前から連なる2階へ伸びる階段から一気にスーパーボールを帰宅後の相方に1万個降り落とすといったお馬鹿だが企画だが、ものすごい爽快感がある。


 その後、ドッキリにかけられたカンタがさらにスーパーボール1万個×3回でトミーにやり返したり、ぷよぷよボール100万個で挑戦したりと、どんどん歯止めの利かないシリーズ物と化し、人気を博す。もちろん自宅の為、片付けも地道に自分たちですることになるのだが、度々登場するスーパーボール企画のせいで、日常空間のあり得ない所にいつもスーパーボールが数個転がっているというのがおなじみの光景となった。


 そして、この家で欠かせないことと言えば、彼らが意図したものではないが、その古さからか、度々“心霊現象”が発生。動画内に謎の声が入り込んだり、誰も居ないはずの2階でドアの開く音がしたりと、最後まで怖いもの見たさの視聴者の関心を誘った。一番“雰囲気がある”と称されていた和室の屋根裏からは、隠された謎の古い書物が見つかり、奇しくもその動画内で謎の女性の声と、「永遠に滅びろ」と聞こえる男性の声が入っており、コメント欄が騒然となったことも。


 2018年には、新たな1軒屋へ。ここでも様々な伝説の企画が生まれたが、必見なのは「相方が3階から落ちてるドッキリww」。3階に部屋があるトミーが2階を突き破ってしまって、天井から下半身がぶら下がっているというドッキリ。実際は美術さんを用意しての手の込んだものだが、いつも3階にトミーが居る、という思考を持っているカンタはすんなり騙され、期待通りのリアクションで視聴者を満足させてくれた。


 その他、筆者のオススメであるのが、「カンタの部屋で合コンしたら怒る?怒らない?」という企画。撮影以外のプライベートな時間をほぼ自室にこもって編集作業をしているというカンタに向けて、合コンに行くのではなく、“合コンの方から来る”という、発想の転換とも言える面白企画。これも実際に住んでいる部屋だからこそ、素の表情が撮れ、面白さが加速するものと思われる。


 そして、この家特有の企画と言えば、地下室が備わっていたことから生まれた、水溜りボンドの挨拶である「はいどうも~」を地下室の閉所空間でずっと聞き続けたら気がおかしくなるのか?という検証や、手錠や知恵の輪、謎解きを成功させるまで地下室を出れないシリーズなど、度々企画に活用された。


 ここまでで紹介した動画はすべて、“家でめちゃくちゃなことをする”という爽快感にポイントがある。実際に私たち視聴者が家で「わぁ!!」と気分を発散したいと思っても、汚れることや壊れること、後片付けや、家主などの関係でそうはいかない。そういうしがらみを全て突破して、“一度は自分もやってみたい”と思うようなハチャメチャなエンターテイメントを展開してくれるのが、視聴者が水溜りボンドを応援したいと思う所以ではないかと思う。


 4年間、毎日欠かさずコンビとして撮影と居住を共にしてきたことで生まれた数々の伝説をあらためて、ここに讃えたい。そして、“次のステージ”として家を別々にしたからこそ生まれる、新たな動画や企画を期待して追いかけたいと思う。


(こたにな々)