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夫婦関係の終焉を決定づけてしまう八郎の一言 『スカーレット』喜美子は7度目の釜焚きへ

2020年02月04日 12:12  リアルサウンド

リアルサウンド

『スカーレット』写真提供=NHK

 穴窯の失敗も通算6回目。夫の八郎(松下洸平)とも離れ、禁忌の借金にまで手を出し、もういよいよ後がない喜美子(戸田恵梨香)のもとを草間(佐藤隆太)が訪れる。『スカーレット』(NHK総合)第104話では、八郎が喜美子に向ける本心が明らかになった。


参考:『スカーレット』第105話では、喜美子(戸田恵梨香)が7回目の窯焚きを始める


 草間が現れたのは、マツ(富田靖子)が手紙を書いたからとのことだ。ひさびさの再会に話したいことが山積みな喜美子は、穴窯の説明を始める。嬉々として話す喜美子の話を聞く草間もどこか楽しげだ。幼い頃からたまに会っては成長を見守る存在となっている草間は、喜美子にとっての最初の師であり、親戚のような存在でもあるのだろう。


 草間は、穴窯に夢中になっている喜美子に、慶乃川(村上ショージ)の話をする。穴窯の費用を残したメモに「アカン」とまで書いた慶乃川は、今の喜美子を見てどう思うだろうか。「アホや言われそうです」と答える喜美子に対し、「それでもやるんでしょう」と暖かい目線を向ける草間。どう励まそうか悩んでいたと言うが、喜美子にとっては草間が見守っているという事実が大きなモチベーションになることをわかっているのかもしれない。


 慶乃川が草間と初めて会ったとき土を掘っていたと聞いた喜美子は、ざらっとした手触りの温かい信楽の土を使い、7回目の穴窯に挑むことを決意する。7回目の釜焚きは長丁場となる。灰を焼き物にかぶせるため、2週間に渡って昼夜問わず火の番をし続けることになる。釜の温度は1150度にも達し、一歩間違えば大火事となってしまう。当然、喜美子1人では敵わないため、信作(林遣都)や直子(桜庭ななみ)、鮫島(正門良規)も手伝い、交代で火の番をすることになる。


 そんな話を聞いた八郎は、喜美子に反対しに行く。「危険やからやめとけ」と止めに入る八郎に対し、喜美子は「うちが出した答えや。やらせてもらいます」と一蹴。八郎が出て行った後、照子(大島優子)に「1人もええなあ」こぼしてしまった喜美子。彼女の決意を止める手立てはもう八郎にはない。


 そして八郎もついに本音をこぼす。「前に言うたな。おんなじ陶芸家やのに何で気持ち分からへんのって。僕にとって喜美子は女や。陶芸家やない。ずっと男と女や。これまでもこれからも。危ないことせんといてほしい」。喜美子と付き合い始める際に「僕にとって川原さんは女や」と言った八郎だが、同じセリフでもこの場では意味が大きく異なる。八郎と喜美子はもはや2人で夢追う夫婦ではいられなくなってしまった。これからの喜美子と八郎の夫婦関係は、どちらかが自分を諦めなければ成立せず、さらにどちらとも諦めることはないことを決定づけてしまった瞬間だった。(リアルサウンド編集部)