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宮迫博之、人気YouTuberヒカルとのコラボは「テレビ復帰」遠回りに?

2020年02月03日 07:02  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

 1月29日にYouTuberデビューした雨上がり決死隊・宮迫博之が、人気YouTuber・ヒカルとのコラボ動画を立て続けに公開した。同じく“闇営業”問題で謹慎していたロンドンブーツ1号2号・田村亮が、あくまでテレビ復帰を視野に、相方である田村淳が立ち上げた「ロンブーチャンネル」への出演はタイミングを見合わせているなかで、360万人に迫るチャンネル登録者を抱えるトップYouTuber・ヒカルを頼ったことに賛否両論が渦巻いている。


(参考:宮迫博之、人気YouTuber・ヒカルとのコラボ動画に感じた違和感 成功のカギは“本気度”か?


 しかし結果として、宮迫のチャンネルに投稿された動画「YouTuberのヒカルさんと初コラボしました」は3日で230万再生を超え、「復帰」というただでさえ注目が集まるタイミングであることを差し引いても、好調な滑り出しを見せている。宮迫が最初に投稿した「宮迫博之よりご報告」では、高評価が10万に対して低評価が17万と、厳しい目が向けられているが、ヒカルとのコラボ動画は高評価が9万、低評価が4万となり、数字の上では「見直した」視聴者が多いことがうかがえる。ちなみに、ヒカルのチャンネルに投稿された動画「【独占告白】宮迫さんに闇営業の件について直接聞いてみた」は3日で410万再生を超えており、こちらには11万の高評価がついている(低評価は3万)。


 相方不在の再スタートで、“いじってくれる”人がいない宮迫がヒカルを頼ったのは、ある意味で正解だったと言えるだろう。実際、ヒカルは目上にも忌憚のない言葉を投げかける「能力が高く、生意気な若者」という、パブリックイメージに則ったキャラクターを演じることで、宮迫にうまく助け舟を出していた。実際にはお笑い芸人に対して深いリスペクトを持っているヒカルだが、「謝罪が演技に見える」「宮迫さんを好きな人に会ったことがない」など、冗談めかしながら厳しい声を投げかけ、視聴者の溜飲を下げつつ、宮迫の本音を引き出していく。自身も大炎上から復活を遂げた経験があるヒカルだからこその立ち回りで、興味本位で動画を見て、その能力の高さに驚いた視聴者も少なくなかったはずだ。


 一方で、その後に公開されたレペゼン地球・DJ社長との対談動画も含めて、宮迫のYouTubeでの取り組みは、「テレビ復帰」からは遠のいているように思えてならない。宮迫自身もヒカルに対して感謝を述べているように、いまの宮迫と積極的にコラボしようという人気YouTuberは、どうしても尖った存在感のある、“炎上”含みのクリエイターに限られてくる。スポンサーと、老若男女問わないマスな視聴者に評価されなければいけないテレビとは全く別の文脈で活躍している彼らとの共演は、いかに動画として面白いもので、お笑い芸人としての勘を取り戻すことにつながるものであっても、「テレビ復帰」には寄与しないと思われる。


 ヒカルとのコラボ動画は、実際に見てみれば楽しいトークで宮迫の魅力を引き出すものになっているが、大半の人は動画を視聴せず、そのニュースだけを受け取ることになる。そこでダーティーなイメージが増幅されてしまうことは、十分にあり得るだろう。またヒカルは、当初、やはり低評価の嵐だった「カジサック」(キングコング・梶原雄太)のチャンネルを軌道に乗せることに貢献した実績があり、宮迫は人一倍の努力で成功を掴んだ、“芸人YouTuberのパイオニア”との比較にさらされることにもなる。ご祝儀的なコラボが落ち着いたとき、果たしてカジサックほどの本気を見せ、目の肥えた視聴者を楽しませる動画を届け続けることができるのか、という懸念も感じてしまうところだ。


 いずれにしても、“諸刃の剣”にも見えるコラボはすでに行なわれた。フラットな目線で、YouTuber・宮迫博之の活躍を見守りたいところだ。


(向原康太)