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宮迫博之、人気YouTuber・ヒカルとのコラボ動画に感じた違和感 成功のカギは“本気度”か?

2020年01月31日 11:11  リアルサウンド

リアルサウンド

宮迫博之『YouTuberのヒカルさんと初コラボしました』より

 闇営業問題で謹慎中だった雨上がり決死隊の宮迫博之が1月29日、YouTubeに謝罪動画を投稿。翌30日に、人気YouTuber・ヒカルとのコラボ動画が双方のチャンネルで公開された。


(参考:YouTuberヒカル、藤原竜也の予想に乗り1000万円の競馬勝負!


 29日、YouTube上に突如アップロードされた「宮迫博之よりご報告」とタイトルがつけられた動画。その中で宮迫は「ご心配をたくさんおかけした全ての皆さまにもう一度改めて謝罪させてください。本当にすいませんでした」と頭を下げた後、「30年苦楽を共にした相方の横に戻りたい」「半年離れてこの仕事が好きなんだなと改めてわかった」と、時折、言葉を詰まらせながら今の心境を語っている。


 昨年6月、カラテカ・入江慎也の手引きにより、ロンドンブーツ1号2号の田村亮ら複数のお笑い芸人と共に反社会的勢力の忘年会に出席したことが報じられ、同月24日から芸能活動を休止していた宮迫。表舞台に登場したのは半年ぶりとあってその注目度は高く、動画の再生回数は204万回、運営チャンネル「宮迫ですッ!」の登録者数は9.8万人(いずれも1月30日現在)に達している。


 動画のなかで、宮迫は以下のような発言をしている。


「何か今の僕に恩返しできることは何なのかと考えた時に、YouTubeという場所に出会いまして。(中略) YouTubeの人(クリエイター)と出会い、表現する場所としてこの場所が僕にとって一番自分を出せる場所だと本当に思ったので、YouTubeという場所を選ばせてもらいました」


 続けて、宮迫は「長い付き合いの仲間からYouTubeに出るなんてやめてくれ」と止められたことを告白。その上で、「この場所で皆さんに認めてもらえるように許してもらえるようにできることは何でもやります」と宣言した。よほどの覚悟を持ってYouTubeに飛び込んだのかうかがい知れるというものだ。


 そんななか、宮迫はある人気YouTuberのコラボに浮上のきっかけを求めた。それは、2017年に祭りの夜店で15万円分のくじを購入する動画で一躍脚光を浴びたヒカルだ。ヒカルには、駆け出しだった頃のカジサック(キングコング・梶原雄太)にアドバイスを送ったり、コラボを実施するなどして、人気向上に貢献した実績がある。それに、彼は「笑わせる」より「聞かせる」トークが身上であり、宮迫の話を十分に引き出すこともできる。実際、目上にも忌憚のない言葉を投げかけるヒカルは、コラボ動画で「生意気な若者」というキャラクターを活かし、宮迫を「イジる」ことで、嫌味なくその本音を引き出していった。


 問題は宮迫だ。最初の動画で「僕は正直テレビの人間です。YouTubeというものを敵として見ていました」と言っていたように、宮迫はテレビというフィールドで育った人であり、ヒカルに学ぼうと必死に食らいついていたカジサックと比較すると、「テレビ復帰への足がかり」という感が強く、これは悪い意味ばかりでは決してないが、「芸能界で成功を収めてきた」というプライドが見え隠れする。しかし、多くの有名タレントがYouTubeで必ずしも多くの視聴者に恵まれていないことからもわかるように、テレビとYouTubeは似て非なるもの。立ち回りの方法論は大きく違い、シーンへのリスペクトを持ち、本気で動画活動に取り組むことができなければ、「復活」を印象づけるのは難しいだろう。


 宮迫は今年50歳。芸能界に限らず、高卒から30年以上同じ会社に務め続けた人間が、五十路になって突如退職し、異業種の会社に飛び込む過酷さは相当なものだ。50歳であろうが、その業界ではルーキー。職場の目下の人間は一応、年長者ということで敬意を払ってくれるだろうが、それに甘んじていては成長はない。すでにYouTubeで成功を収めているカジサックやオリエンタルラジオ・中田敦彦には、YouTubeを研究し、“先輩クリエイター”を心からリスペクトする姿勢があった。だからこそ、日頃からYouTubeの動画を楽しんでいる視聴者にも受け入れられ、確かなポジションを確立することができたのだ。


 宮迫が今後、どんな動画を投稿し、またYouTuberとのコラボレーションに対してどんなスタンスで臨むのか。そこに表れるであろう“本気度”に注目していきたい。(こじへい)