2020年01月29日 11:22 弁護士ドットコム
「この先信号あり」、「信号機●●m先」ーー。街中でこのような表記が付されている信号を見たことがありませんか。これは一般に「予告信号灯」と呼ばれるもので、さまざまな表示方式があります。
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車両用の信号機が表示する信号の種類(青・黄・赤)、意味(青は進行、赤は停止)、配列(横配列では右から赤・黄・青の順)などは、道路交通法施行令2条・3条で定められています。
しかし、予告信号灯は表示の文言も違えば、通常の信号機のようにランプが3つあるものもあれば、一灯式や二灯式もあり、表示方式が設置場所によってバラバラです。
多くの信号機・道路標識が統一された表示方式で設置されているのに、どうして予告信号灯にはたくさんの種類があるのでしょうか。警察庁にどんな運用になっているかを聞きました。
ーー予告信号灯はどのような場所に設置されるものですか
「交差点の手前がカーブまたは坂になっていて、交差点の見通しが不十分な場所などに、ドライバーへの注意を促すために予告信号灯を配置しています」
ーー予告信号灯はいつ頃から運用されているのでしょうか
「いつごろから運用されているかは不明です」
ーー予告信号灯の設置にかんして、法令上の根拠や基準はありますか
「法令上の根拠や基準は特にありません」
ーー基準すらないのですか
「各都道府県警察が、交通環境などの個々の実態に応じて、予告信号灯を配置しています。その結果として、統一した方式にはなっていないということです」
ーー表示方式の違う予告信号灯を見て、とまどうドライバーもいそうですが
「信号表示の違いによる誤認や見落としなどによる事故が多発している状況ではないと認識しています」
ーー表示方式を統一する予定はありますか
「現在のところ、予告信号灯の表示方式を統一する予定はありません」
どうやら、場所によって異なる予告信号灯はこの先もしばらく見られそうです。旅行先で予告信号灯の「違い」に注目するのも、ドライブする上でのささやかな楽しみになるかもしれません。
もちろん、予告信号灯は交通安全のために設置されているものです。注目するあまり、肝心の信号機を見落とすことのないようにしましょう。