1月22日の「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)では、若者の食事に対する意識の変化が議論された。エコノミストの門倉貴史氏は「最近の若い人は年上との食事会でも『割り勘が良い』という人が増えてきている」と言う。
その理由として、「気を使わなくて済む」「借りを作りたくない」「『奢ってあげたのに』と後からグチグチ言われたくない」といったことを気にしているようだ。「割り勘派の若者の割合は2001年では1割程度だったのに、2016年では56.8%まで上がってるんです」と割り勘を好む若者の割合が十数年で半数以上になったと語る。
この解説を聞いたマツコ・デラックスさんは「『奢るよ』って言っただけでも『うぜぇ』って思われるわけでしょ?もうジジィとババァとしかご飯行きたくない」と若者との食事に抵抗感を示した。(文:石川祐介)
若者の本音は「仕事ができる上司となら食事に行きたい」
また、マーケティング評論家の牛窪恵氏は
「20代男性では『食事代は上司が全額支払うか?』と聞いたところ、「全額払う」と回答した割合は22.2%しかいません」
と話す。部下が上司を評価するシステムを導入する企業がここ数年出てきたので、食事を奢って部下を懐柔する上司を生まないため、上司の奢りを禁止する企業が増えたことが背景にあるという。
さらに、牛窪氏は若者が「一緒に食事をしたい」と思う上司の特徴として、「仕事の能力が高い上司」と続ける。
「仕事ができない上司に(仕事ができる上司と)同じことを言われても、『役に立たない情報だな。この人は出世してないわけだし』と解釈される。情報が役に立つかどうかを今の若い人は重視している」
これにマツコさんは「駄目な先輩のほうが優しく愚痴を聞いてくれるよ」と若者のシビアな感性に苦言を呈した。
若者は気を使いたくないくせに、気を使われたい?
ネット上では、「若くないけど上司に奢られたくない。そもそも職場の飲み会は嫌いです」と上司と食事をすること自体を嫌う人がいた。ただ、
「これは完全に人手不足が原因だと思う。駄目な若者でも辞められたら結構困る現状だから、若者に甘いルールが蔓延している」
「若い人の言い分を聞いてると、『自分は気を使われて当然だけど、自分が気を使うのは嫌!』って気持ちなのかね?」
と、若者に対する不満を爆発させる人もいた。若者の意思ばかりが尊重され、自分達は蔑ろにされていると感じている上の世代は少なくないのかもしれない。
他にも、「世代の壁におばちゃんは気づいてなかった。年をとることを全否定された気分になって少し寂しかった」と現代の若者の考え方に精神的ダメージを受けたという声も。上の世代と若者が共存していくことは思いの外難しそうだ。