新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍首相は1月27日、国内で感染が確認された場合、法律に基づいて強制的な措置を取ることができる「指定感染症」にする方針を明らかにした。社員を在宅勤務にする企業も出始める中、フリマアプリメルカリでは「コロナウイルス対策」と銘打ちたれたマスクの出品が相次いでいる。
ヤフーショッピングで1箱あたり300円で売られていた50枚入りの不織布マスクは、メルカリでは10箱で10500円、1箱あたり1000円と、約3倍の価格で売られていた。出品者は「新型コロナウイルス対策」と明記している。
不織布マスクではウイルスの侵入を防ぎきれない可能性
また、通常30枚入り1箱100円で売られているマスクは、宮城県の出品者から10箱3000円、1箱あたり3倍の価格で出品されていた。中にはコメント欄に「早い者勝ち!」と書いてあるものもあった。
出品されているマスクの多くは不織布でできたマスクだが、新型コロナウイルスの感染をこうしたマスクで完全に防ぐことは難しいと思われる。
「99%カット」などと書かれているマスクが多いが、これらは花粉や細菌、ほこりといった大きいものを避ける確率だ。ウイルスは花粉や細菌より小さいため、通常のマスクでは侵入を防ぎきるのは難しい。
感染防止のため、医療従事者などはアメリカ合衆国労働安全衛生研究所のN95規格をクリアし認可された微粒子用マスク、通称N95マスクを着用することが多い。メルカリでは、大阪府から出品された75枚のN95マスクが「現在大変入手困難なN95マスク」として2万1000円で出品され、売買が成立していた。
ただ、厚労省が1月24日に発表した資料には「過剰に心配することなく、マスクの着用や手洗いの徹底などの通常の感染症対策に努めていただくようお願いいたします」と書かれている。適切な方法で感染予防に努めたい。