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「不倫をやめて!」事実無根の怪文書、両親にも届く これって犯罪じゃないの?

2020年01月27日 10:42  弁護士ドットコム

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「不倫をやめろ」という内容の怪文書が3カ月前から届いているーー。弁護士ドットコムにこのような相談が寄せられている。


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相談者によると、これまで不倫をやめるように促す手紙が3回届いているという。3回目の手紙の中には、相談者を盗撮した写真も同封されていたようだ。



「私だけではなく、私の両親のもとにも手紙が届いています。事実無根の内容で、『親展』の判子がおされています」と相談者は不気味に感じている。



ただし、手紙の送り主は特定できていない。仮に特定できた場合には、手紙の送り主を罪に問うことはできるのだろうか。中西祐一弁護士に聞いた。



●「ストーカー規制法」違反となる可能性も

ーー送り主の行為は「名誉毀損」罪にあたるのだろうか



「名誉毀損罪は『公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した』場合に成立します(刑法230条1項)。今回のケースでは、手紙は相談者ご本人とその両親にのみ送られており、『公然と事実を摘示』したとはいえませんので、名誉毀損罪は成立しません」



ーーでは、「ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)」に違反しないのだろうか



「『不倫を止めろ』という手紙を送ることは、ストーカー規制法2条1項7号の『名誉を害する事項を告げ』ることにあたると考えられます。



また、相談者を盗撮した写真を送ることは、同項2号の『行動を監視していると思わせるような事項を告げ、またはその知り得る状態に置くこと』に該当すると思われます。



そして、このような行為が反復されていますので、送り主の行為は『ストーカー行為』(同条3項)にあたる可能性があります。



ただし、『ストーカー行為』といえるには、動機が恋愛感情等に基づくものである必要があります。現在判明している事情だけでは、『ストーカー行為』に該当すると断定することはできません」



●送り主に慰謝料請求できる可能性も

ーー相談者は送り主を特定できていないようだ。このような場合でも、警察に相談することは可能なのだろうか



「はい。『ストーカー規制法』違反という犯罪の可能性があるのですから、警察に相談することは問題ありません」



ーーもし、送り主を特定できた場合は、送り主に慰謝料を請求することはできるのだろうか



「仮に送り主の行為が犯罪にあたらなかったとしても、相談者に不安感・不快感を与えていることは明らかです。そのため、民事上の不法行為として、慰謝料を請求できる可能性はかなり高いと思われます」




【取材協力弁護士】
中西 祐一(なかにし・ゆういち)弁護士
金沢弁護士会所属。地元の方々の身近なトラブルの解決を目指し、民事・刑事を問わず幅広い分野の案件を取り扱っているが、その中でも、刑事事件には特に力を入れており、裁判員裁判や冤罪事件の国家賠償請求事件などにも積極的に関わっている。
事務所名:中西祐一法律事務所
事務所URL:http://www.nakanishi-law.net