ブラック企業を経験すると、ホワイト企業の些細な日常に感動するようだ。キャリコネニュース読者からも、
「現職では時折、管理者が『残っている者も早く帰れよー』と意気揚々と定時で退社する日があります。ブラックかつワンマン企業では、定時や残業代とは無縁のサービス残業を強いられていたので『こんなに早く帰っていいの?』と思うことすらあります」(30代男性、営業職)
といった声が寄せられている。今回はホワイト企業の懐の広さを象徴するエピソードを紹介する。
「上司に呼ばれたらすぐ向かう癖がついているが、『そんな動きをする人は君くらいだ』と言われた」
事務職に転職した20代男性は、以前の営業職では「3連休なんてとったことなかった」と明かす。現在は3連休の多さに戸惑いつつ、カレンダー通りに休むと「休日が多すぎで何をしていいかわからない」という。さらに、
「有休を使い切ろうという風潮のため、4連休にする人もいて、そんなに休んで何をするのかと思った。また残業する人、しない人の差が激しい。なぜそんなに仕事を残すのか分からないくらい暇そうに居残っている人がいる」
とも明かす。
男性がもう1つ現職で感じていることは、部下の上司に対する態度だ。
「ヒヤヒヤする。私は上司に呼ばれたら『はい!』とすぐに小走りで向かう癖がついているが、『そんな動きをする人は君くらいだ』と言われた」
と、前職との違いに驚いている。
よくわからない福利厚生も多いという。男性は今まで会社の金で食事などをしたことがなく、「そんなに交際費や会議費を使うのかと思った」と綴っている。
クリエイティブ職の30代女性も、転職先が社員のために金を使うことに驚いている。ランチ費用で多少の補助が出たり、首都圏手当という謎の手当も出たりする。また社員旅行の行き先が海外にも関わらず、旅費が無料で、家族を同行させる際は半額になる。パスポートの取得費用も会社負担のため、「そのカルチャーショックはすごかった」という。 ほかには、
「時間の使い方が違う。前職では『21時までは残業しろ』と強制され、終電はザラだった。でも今は『21時までには帰れ』と言われ、ノー残業デーもある。締め切りも業務量が多ければ、それなりに伸ばしてくれる。基本的に業務を当日に頼まれても『今日中に残業してやっておいてね』ということはない」
また「急ぎで申し訳ない」と言われる場合もあるが、締め切りは2日後とゆとりがある。女性は「前職の時間に追い詰められていたのは何だったのかと思う」という。
「会社の規定で未成年と65歳以上の同居家族、障がい者の同居家族に看護休暇があること」
社会福祉法人に勤める30代男性は、前職が「就業に係る準備や後片付けを勤務時間の前後に行う」民間企業だった。しかし現在は、「準備や後片付け、掃除もちゃんとした仕事だから、時間内でやりなさい」と上司に言われ、「終業の30分前には片付けを始めること。定時で打刻して、即退館しなさい」と叱責されるほどだ。
男性が驚いたのは、「会社の規定で未成年と65歳以上の同居家族、障がい者の同居家族に看護休暇があること」だという。
「実際に妻は障がいを有しており、役所の福祉部門のケースワーカーが自宅へ調査や面談に来る際などに同席できます。あと、私が持病の関係で通院したりするときは、事前申請で在宅勤務できることです」
直属の上司や担当役員も「何かあるときは何でも言いなさい、何らかの方策を取れるかもしれないから」と親身な対応をとる。現在、男性の妻は妊娠中で里帰りをしているが、上司に「月1回くらいは検診の同行も兼ねて奥様の実家へ行きなさい」と言われたという。なんとも思いやりのある計らいだ。
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