昨年取り上げられた金融庁の審議会報告書で「老後資金は2000万円必要」というフレーズが話題となった。現在は、希望すれば60~70歳の間で受給開始年齢を選べる年金だが、政府は繰り下げ幅を75歳まで拡大する方針を打ち出している。
老後資金や定年後の生活に不安を抱える人の中には、再雇用制度を活用して長く働きたいと考えている人もいるだろう。企業口コミサイト「キャリコネ」に寄せられた現役社員たちの口コミを見てみよう。【参照元:キャリコネ】
制度自体は高評価「低賃金でも長く働きたい人には良いかも」
「再雇用制度はありますが、パートでの採用になります」(代理店営業、50代後半、男性、正社員、年収400万円)
「(報酬は)同業者の中では比較的高い方だと思います。定年後の再雇用も希望者はかなえられている」(営業、50代前半、男性、正社員、年収1,000万円)
「給与は、役職に就かないかぎりほぼ昇給は無し。ただ、定年後に希望者は再雇用が認められ70歳まで働けるので、低賃金でもいいから長く働きたいという人には良いかもしれません」(管理関連職、40代前半、女性、正社員、年収300万円)
再雇用制度があり、定年後も再び働くことができる会社は多い。だが、各企業によって、勤務形態や配属部署などには違いがあった。中には、パートとして時給制の雇用形態で勤務するケースもあるようだ。
現役時代と比べてしまうと月収が下がるケースが多そうだが、それでも定期的に一定の収入を得られる安心感は大きい。特に、受給開始年齢の繰り下げを考える場合には、一定期間は貯蓄を切り崩すことになる。この期間、少しでも収入があるのは心強いだろう。
「仕事が生まれても一切やらずに、職場の若手にすべて任せてしまう」
一方、一緒に働く現役社員からは厳しい意見も聞こえてくる。
「50歳~70歳が7割ぐらいいる。働き方改革などの時代の流れに対応できない頭の固い人ばかり。人を育てるという概念がなく、若い人が定着しないので定年の人を再雇用ばかりしている。求人は年中出ているが、入ってきてもすぐに辞めるので新陳代謝ができていない」(生産・製造技術、30代後半、男性、正社員、年収260万円)
「定年後再雇用した人間に仕事を与えるために仕事が生まれている点が多々あった。仕事が生まれても当の本人たちは一切やらずに、職場の若手に全て任せてしまうため、余計な仕事が増えることが非常に多かった」(購買・資材、20代後半、男性、正社員、年収480万円)
「再雇用の年配の方は必要ない。安い賃金で雇えるからなのか知らないが、コストカット等考えるのであれば邪魔でしかない。もっと若手を活用できる環境を作るべきだろう」(法人営業、20代後半、男性、契約社員、年収350万円)
定年後のシニア層が再雇用によって現場に戻ってくることで、若手社員の負担になっている現状もあるようだ。時代の流れや新しい考え方についていけない再雇用者や、そもそも仕事がなく再雇用者のために、仕事を作っている状況に不満を抱える現役の声が寄せられた。
老後に備えて、再雇用制度を活用するのも選択肢の一つ。だが、いくら慣れ親しんだ職場だからといって、配属先での働き方、振る舞い方にはやはり謙虚であるべき。経営側も事業や他の社員にとって、理にかなった再雇用者の任用方法を考えるべきだろう。【参照元:キャリコネ】