エアトリは1月24日、ギャンブル依存症治療の保険適用に関するアンケート結果を発表した。調査は今年1月にネット上で実施し、20~70代の男女1003人から回答を得た。
厚労省は2020年度からギャンブル依存治療を公的医療保険の対象にする方針であることを示しており、背景には政府が進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)の設置による依存症患者の増加が懸念されていることがあるとも言われている。
「ギャンブルをする」と回答した人は16%。「していたがやめた」(20.0%)を含めると約4割がギャンブル経験ありということになる。性年代別に見ると最も高かったのが40代男性(54.6%)で、次いで50代男性(45.1%)となった。
ほとんとの世代で男性の方がギャンブル経験率が高いが、唯一20代は女性(23.1%)が男性(9.1%)を上回った。
賛成派からは「意志の問題だけではなく病的な事があると思うから」
ギャンブル依存症治療の保険適用については、「反対」(43.0%)が「賛成」(22.7%)を上回った。一方、「どちらとも言えない」という人も34.3%いる。反対は、ギャンブルをする人では、36.9%だったが、しない・やめた人では44.1%いた。
賛成の人からは「ギャンブル依存症の人ほど使ってしまってお金がないと思うから」「やめられないのは、意志の問題だけではなく病的な事があると思うから」といった声や、「IR法で、ギャンブルを解禁してしまう以上、やむを得ない」といった声が寄せられた。
一方、反対の人からは、「ギャンブル依存症の治療より、ギャンブルがその主な原因であるならギャンブルをなくすことが(予防)第一と考える」といった声が寄せられた。中には、
「病気ではなく本人の意思、自覚の問題。教育で対応すべき」
「ふざけるな!自己責任!儲かったら、保険料高くするのか?」
など"自己責任"という意見も多い。しかしこの風潮があるために周囲から理解されず、苦しむ人もいることを覚えておくべきだろう。他にも、
「私たち多くの人は、病院に通う費用や時間を抑えるため、又保険組合に負担を与えないよう健康に気をつけ、自費で健康食品やサプリ、スポーツクラブに通っています。なのに、ギャンブル依存の方に保険を適用されると言うのは納得いきません。それならスポーツクラブ等にももっと補助があっても良いと思います」
など不平を感じるという人もいた。
ギャンブル依存経験者は「負けても取り返そうとなる。必ず行ってしまうことが辛かった」
保険適用にすべきだと思うものを聞くと、最も多かったのは「出産費用」(80.5%)。2位以降、「インフルエンザの予防接種」(70.7%)、「不妊治療」(68.6%)、「花粉症治療」(61.3%)、「人間ドッグ」(57.8%)、「整体・接骨院への通院」(44.0%)などが続く。
自身がギャンブル依存症だと感じている人は1003人中20人。ギャンブル依存治療に保険が適用されると治療を受けたいという人は3割で、受けたいと思わない人は4割となった。
また、かつてギャンブル依存症だと自覚していた人(64人)は全員通院せず自力で辞めたという。当時を振り返って、
「生活費としてとっておいた物まで使ってしまう。一時は、半路上生活のような暮らしをしていた」(40代・男性)
「負けても取り返そうと毎日行きたくなるし、必ず行ってしまうことが辛かった」(40代・男性)
「自己嫌悪に陥る日々。しかし、翌日にはスロットの前に座っている。(略)お金が無くなればクレカクレジット、できなくなれば無意識に街金に行って借りてしまう。閉店後に初めて現実に返り自己嫌悪。愚かでした」(50代・男性)
といった声が寄せられている。