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『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』にヨシダナギ、綿矢りさら著名人が絶賛コメント

2020年01月23日 12:02  リアルサウンド

リアルサウンド

『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』(c)2018 Channel Four Television Corporation and Candlelight Productions, LLC. All Rights Reserved.

 2月7日に公開される映画『ロニートとエスティ 彼女たちの選択』に、各界著名人が絶賛コメントを寄せた。


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 イギリス人女性作家ナオミ・オルダーマンの自伝的デビュー作に出会ったレイチェル・ワイズが、プロデューサーとして企画段階から携わった本作は、厳格なユダヤ・コミュニティの中で赦されることのない関係ながらも、運命によって引き寄せられた2人の女性を描いた物語。


 『グロリアの青春』『ナチュラルウーマン』のセバスティアン・レリオ監督がメガホンを取り、『ナイロビの蜂』『女王陛下のお気に入り』のワイズと、『アバウト・タイム~愛おしい時間について~』『スポットライト 世紀のスクープ』のレイチェル・マクアダムスが主演を務める。


 本作にコメントを寄せたのは、フォトグラファーのヨシダナギ、作家の綿矢りさら10名の著名人。いち早く作品を鑑賞しての感想を綴っている。


コメント一覧
ヨシダナギ(フォトグラファー)
ある国のある民族はその伝統的な姿を保っていること自体が、迫害の理由になる。 ある国のセクシャルマイノリティは、命を危険に晒すため、誰にも告白できない。 自分はどのような存在でいるべきか、いたいのか。 この映画は、文化と本能の間で選択を迫られつづける動物 「ニンゲン」を鋭く美しく描いている。


綿矢りさ(作家)
時を経ても二人の女性の絆は濃い。恋も煩悩のうちと捉えるなら、禁じられるほどに、抗いがたい魅力は増してゆく。男女の愛のみ健全とするなら、幾つもの芽は、育ちきらぬまま摘み取られてゆく。 私たち人間は、天使にも獣にもなりきれない。その狭間で一生葛藤してこそ、真の姿へと近づく。


柿沼瑛子(翻訳家)
どんなに痛みをともなおうと、人は「選ぶ」ことができる。愛は人を自由にする。


王谷晶(小説家)
愛する女から去った女、女を愛することを諦めた女。 神さまに見つからないように、吐息と溜息で語り合う女と女。 大人の恋は、好きと伝えただけじゃハッピーエンドにならない。 苦くて痛いロマンスがいつまでも口に残る。


鈴木みのり(ライター)
厳格なユダヤ教正統派と、ジェンダーやセクシュアリティの規範からの自由……そんな風にこの物語を枠にはめてしまえるかもしれない。しかし本作はひたすら落としどころのないままならなさを観客に突きつけてくる。その不明瞭を浴びる時間こそ、味わい深い。


カナイユユキ(イラストレーター)
肌を覆い隠す信仰のためのコスチュームを脱ぎ捨てるしぐさが、古い慣習を捨て去る主人公の選択と印象的に重なる、人生を自分の手に取り戻すレズビアン女性の抵抗を描いた映画です。観賞後、誰もが自分を生きる権利と、そのために闘う権利がある、ということについて考えました。誰もが闘えるわけではないからこそ、彼女たちの姿は尊いと感じます。


立田敦子(映画評論家)
家族やコミュニティとの関係も大事だけれど、 それでも本当の自分には嘘をつけない。 誠実さ故に悩み、傷つき、苦しみの果てに自分らしい生き方を見出していく ふたりの姿に心を揺さぶられた。 自由、愛、人生について考えさせられる美しい作品。


杉谷伸子(映画ライター)
たんなる許されない愛の物語だと思ったら、大間違い。 誰を愛し、どう生きるか。自分のその選択を大切な人に認めてもらいたいと願うのは、誰しも同じ。 これは、すべての父と娘の、いや、親と子の物語でもある。それぞれの想いが胸に迫る。


今祥枝(映画ライター)
信仰と愛の間で悲しい思いを強いられる人々がいる。 無宗教の私にとって、最も理解し難いテーマと特定のコミュニティを描いた本作が、これほどまでに普遍性と現代性に満ちた物語と成り得ることに驚かされた。 寛容さと愛、そして”選択の自由”を伝える美しく力強い作品。


冨永由紀(ライター)
愛が与える苦しみと、愛がもたらす喜び。そして愛が教える自由。信じてきた価値観をも揺るがす愛と向き合い、それぞれの決断をする彼女たち、そして彼にも心を揺さぶられる。ラストシーンで見せられた、あの表情が忘れられない。  (文=リアルサウンド編集部)