デジタル・クライシス総合研究所は1月15日、2019年に起きた、ソーシャルメディアを中心とするネット上で発生した危機や重大なトラブルを調査分析した「デジタル・クライシス白書2020」を公開した。炎上事案を取り上げた件数が最も多かったメディアは「J-CASTニュース」(7件)だった。
調査は同社が持つソーシャルリスニングツール「SMDB」を使用。昨年1月から10月までを対象に、炎上というキーワードを含む合計3万1432件のデータから無作為に50件を抽出した。
4件に1件は炎上から24時間以内に取り上げられる
2位はねとらぼで6件、3位はBuzzFeedで5件。4位は同率で、BIGLOBEニュース、キャリコネニュース、NHK、東スポなどの1件だった。調査元は、
「炎上の発生時には、ネットニュースメディアの取材に備え、想定される質問とその回答を用意する必要がある」
としている。
炎上事案が、放映や記事になるまでのスピードは24 時間以上~48時間未満が32.1%と最も多かった。24時間未満のものは24%であり、4件に1件は1日以内に取り上げられていることがわかる。
記事になった炎上事案のうち、発生から72時間以内に記事になった割合を計算すると、ネットニュースメディアの割合が77.3%、 マスメディアは66.7%となっている。ネットニュースメディアの方が炎上事案に反応するスピードが早いことが分かった。
バイトテロやカスタマーテロは飲食、建設・不動産で多い傾向
3万1432件のデータを対象に、2019年1月から10月の炎上原因となった情報の発信者の割合を見た。著名人が390件(40.4%)、法人が314件(32.5%)、一般人が262件(27.1%)だった。このうち、法人の炎上事案を業界別に見てみると、 最も多かったのは「娯楽・レジャー業界」(88件)で全体の28%を占めた。次いで多かったのはIT・メディア業界で71件(22.6%)だった。
非常識な発言・行為、デリカシーのない内容・発言・行為といった、バイトテロやカスタマーテロと呼ばれる炎上は飲食、建設・不動産で多い傾向があった。
法人の炎上事案 314件の内、日本国内に所在する企業は178社で、そのうち74%が未上場企業だった。企業の従業員数別の分布を見ると、最も多いのが1000人以上の企業で、全体の52%を占めている。炎上の発生源は1位がツイッター(72%)で圧倒的に多かった。