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原田龍二、横浜銀蝿・翔の「覚せい剤逮捕」の失敗から学んだロッカー魂

2020年01月19日 17:00  週刊女性PRIME

週刊女性PRIME

全裸俳優・原田龍二の「人生、反省。」

 生きる営みすべてに全力を注ぐ俳優・原田龍二。近年はすべてを脱ぎ捨てる全裸俳優として人気を集めていた。そんな矢先、女性スキャンダルが発覚し、別の意味でお茶の間をにぎわすことに。自らの過ちと向き合うため、原田が人生の先輩と“反省”をテーマに語り合う対談企画。

 今回のお相手は、ロックンロールバンド・横浜銀蝿40thの嵐(Dr)と翔(Vo)のおふたりだ。'80年代、若者の代弁者として鮮烈なデビューを飾り、紆余曲折(うよきょくせつ)を経て、今年デビュー40周年を迎えた彼らと熱く語り尽くす!

『ガキ使』で湧いた親近感

原田 お会いするのは初めてなんですけど、横浜銀蝿といえばアウトローのバイブルですから! 男の憧れですよ。

 俺はテレビが大好きなんで、原田君が出てる番組をいっぱい見てるんだよ。「相棒」の陣川公平いいよなあ!

原田 まさか嵐さんから「陣川」というワードが出てくるなんて!

 俺も年末の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』で全裸になってる原田君を見たときに腹抱えたよ! すごいインパクト。それまでは高身長のイケメンっていう感じだったからさ、あの勇姿を見たとき「絶対に俺たちと同じ不良じゃん!」って思ってさ。親近感が湧いたなあ。

原田 僕は完全にはみ出し者ですからね(苦笑)。

 そもそも、なんで裸になったの?

原田 いちばん大きなきっかけは20代のころに出演したドキュメンタリー番組なんですよ。そのとき、アジアの山奥に住む山岳民族やジャングルに住む裸族にお世話になっているうちに、言葉が通じない相手には身も心もさらけ出さなければ交流できないと気づいたんです。もちろん、現地では裸にもなったし。

 それから、30代以降になると日本の旅番組に呼ばれるようになって、僕は「温泉に失礼だから」という理由で、入湯時にタオルを巻かずに入るんですよ。その様子を見た『ガキ使』のスタッフさんから、出演のオファーをいただいたんです。

 なるほど、そこで裸につながるわけね! 業界は違うけど、言葉がわからなくても心をさらけ出せば通じ合えるのは音楽にも共通するかもな。昔、ロサンゼルスでレコーディングしたときは、英語が話せなくても問題なかったし。

 でも、すごくいいグルーヴだったときに「グッド!」って言ったら、みんながちょっと不満そうな顔をしたんだよ。

原田 どうしてですか?

 なんでも、英語で「GOOD」は「まあまあ」みたいな意味らしくてさ。通訳の人に「どれくらいいいんですか? アメージング?」って聞き返されたの。そういうニュアンスの違いって、その国に行かないとわからないよな。

原田 そうなんですよ! モンゴルの遊牧民と交流したときは「モンゴルでは、馬に乗れないと家族として受け入れられない」と言われて、一生懸命、馬に乗る練習をして、別れ際に家族の証として1頭の馬をプレゼントしてもらいました。

苦境にいるときの景色は違って見える

 ワイルドだね! 嵐さんも若いころはよく旅してたよね。仲間と一緒に1台の車であてもなく旅してたじゃん。

 あれは、パチンコの旅。パチンコで勝って、どこまで行けるか仲間と試した。静岡、名古屋、京都の先あたりまで行ったかな。パチンコが盛んな土地に泊まるんだよな(笑)。

 俺は中学生だったからさ、嵐さんに「兄貴、いつ帰ってくるの?」って聞いたら「わからねえ!」って言われたの。カッコいいー! って思ったよ(笑)。

原田 すごいですね!

 でもさ、戻ってくる途中の長野で車がぶっ壊れちゃってさ。途方に暮れたけど、そのときに見た松本城がすごくきれいだったなあ。

原田 沁みちゃいますよね!

 沁みる! 苦境にいるときに見る景色は違って見えるよな。俺も失敗してるクチだから、すごくわかるよ。

 今日のテーマは“反省”で「原田に喝を入れてください!」って言われたけど、俺には冗談でも原田君に喝を入れる資格なんてないわけよ。

 不倫だっけ? やっちゃったもんはしかたねえよ!

原田 いやいや、たくさんの人にご迷惑をおかけしたのでしかたなくはないです……。

 そう。嵐さんはロックンローラーだから気にしないかもしれないけど、俺たちは人に見られる仕事を選んだわけだから反省しなくちゃ。特に俺は、覚せい剤で逮捕されちゃったから、偉そうなことは言えないよ。今日、原田君に会えるのはうれしかったけど、テーマに抵抗があったんだよな(苦笑)。

 ハハハ!

 でもさ、事実は変えられないから一生、十字架を背負っていかなきゃならない。でも、そのままずっと小さくなってても何も変わらないじゃんか。

原田 そうなんですよね。僕が失敗したところまでが人生じゃなくて、これからも人生は続きますから。もちろん深く反省はしていますが、僕は今後、この不祥事の“傷”を強みに変えるしかない。

 これからは、傷がない人生ではたどり着けなかった場所を見つけられるような気がしています。死ぬときに「いろんなことがあったけど楽しい人生だったな」と言える人生を送るのが目標です。

「メンバーを裏切りたくない」

 うん。人生、山あり谷ありっていうけど、俺は一生、上り坂。失敗しても、自分の足で登っていくしかないんだよな。俺みたいに逮捕されたり、原田君みたいに不倫がバレたりしたら、自殺を考える人もいるかもしれないけど、俺は死のうとは思わなかったよ。

原田 僕も思わなかったです。もちろん、妻や子どもたちを巻き込んでしまった現実を突きつけられたときは、恥ずかしさと同時に「この世から消えてしまいたい」という感情を抱きました。

 もうあんな気持ちは2度と味わいたくない。だったら、もう2度と遊ばなければいいだけの話なんですよね。もう誘惑が多い場所には行かないです。

 悟りを開いたんだな。

 俺も、繁華街に出ないようにしようとか、好きなものに打ち込もうとか、いろいろと意識的にしていることはたくさんある。君が家族に対してそう感じたように、俺はメンバーに対して「裏切りたくない」って思うようになったよ。

原田 やっぱりメンバーのみなさんは、翔さんの支えになっているんですね。

 もちろん。俺の失敗が横浜銀蝿の活動に支障をきたしたときも、メンバーは何も気にしないんだよな。最高の仲間が「じゃあ、そのハードルを乗り越えればいいじゃん」って言ってくれるから、俺も臆せずに頑張れるよ。

原田 グループならではのよさですね。いいなあ。

 俺は、そんなメンバーをまとめるのに苦労してるんだけどね(笑)。

遂に原田がロッカー認定

 何より、横浜銀蝿のデビュー40周年でJohnnyがカムバックして、またオリジナルメンバーでツアーができるのは本当にうれしい。

 この前、ある音楽フェスに出たときにドラマの『今日から俺は!!』の主題歌だった「男の勲章」を演奏したんだよ。すると、俺よりも50歳も下の子どもたちが集まってきて、劇中で話題になったダンスの振りを踊るわけ。驚いたよ。

 俺たちは解散もしたけどさ、35周年、40周年と再結成してやめずに続けてきたからこそ、そんなおもしろいシーンが見られたんだと思う。まあ俺は、子どもたちのお母さんに釘づけだったけど(笑)。

 ハハハ!

 嵐さんも脳梗塞を経験してさ、リハビリしてドラム叩いて……ずっと戦ってるんだよね。嵐さんが元気なうちに、もう一発かましたいな。

 また1年、頑張ります(笑)。

原田 僕は、昔からずっと心に怒りや反骨精神を持っているんです。ロックのルーツも反骨精神ですよね。

 そうだね。

原田 だから今は、自分の失敗や悔しさ、自分への怒りを原動力に「どこまでもやってやろう!」って思ってます。

 認定しましょう、原田君はロックンローラーです!

原田 ありがとうございます!

本日の、反省

僕が人生で初めてロックンロールに触れたのは、間違いなく横浜銀蝿の『ツッパリハイスクールロックンロール』ですからね。おふたりとも直接お会いできて感無量です。すごくオーラがあるし、やっぱり言葉の重みが違いますよ。翔さんが自らの失敗とちゃんと向き合って、音楽に昇華しているのも伝わってきました。嵐さんは生きざまがロック。仲間がいることの心強さを感じました。ロックンローラーに認定してもらえて本当にうれしい! 誰かウィキペディアに書き込んでくれないかな。

はらだ・りゅうじ
1970年、東京都生まれ。第3回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリを受賞後、トレンディードラマから時代劇などさまざまな作品に出演。現在は俳優業にとどまらず、バラエティーや旅番組に多く出演し、活躍の幅を広げる。芸能界きっての温泉通、座敷わらしなどのUMA探索好きとしても知られている。

横浜銀蝿40th
1980年デビューの横浜銀蝿の40周年を機に期間限定で再結成したロックンロールバンド。メンバーは嵐(Dr)、翔(Vo)、Johnny(Gt)、TAKU(Ba)。シングル『横須賀Baby』、アルバム『ぶっちぎり』でデビュー。2年後には日本武道館コンサートを成功させ、日本レコード大賞特別賞を受賞し、日本中を銀蝿旋風に巻き込んだ。活動期間は3年だが、今もなお多くのロックンロールファンに愛されている。今回は実の兄弟でもある嵐と翔が登場。

横浜銀蝿40thコンサートツアー2020
~It's Only Rock'n Roll集会 完全復活 Johnny All Right!~
3月7日(土) 横浜市教育会館
3月22日(日) Zepp Sapporo
3月28日(土) Zepp Namba
3月29日(日) Zepp Nagoya
5月3日(日・祝) KT Zepp Yokohama
5月6日(水・振休) Zepp Fukuoka
5月16日(土) Zepp Tokyo
詳細は公式HP:https://ginbae40th.com/

取材・文/大貫未来(清談社)