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ミニストップでも本部社員が発注 オーナー「10年以上前から知らない商品が入っていた」

2020年01月19日 10:41  弁護士ドットコム

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セブンイレブンとファミリーマートで、本部社員が加盟店の許可なく商品を発注していたことが報道された。ミニストップの加盟店からも、同様の行為があったという声があがっている。


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ミニストップのある店舗で出力された「発注送信履歴」(2019年8月)には、ハンバーガーやチーズケーキなどの商品名の下に、「発注入力しました」という本部社員によるメモが残っていた。



店を経営していた女性は次のように語る。



「メモがないときもあり、ときどき見覚えのない商品が入っていました。でも、2006年に開店したときからなので、コンビニってそういうものだと思っていました。セブンの『無断発注』のニュースを見て、こんなに大きな問題だったんだと驚きました」



●本部社員が強い口調で「消したでしょう」

「メモなし」のときはセブンやファミマの「無断発注」と同じ事象だといえる。



また、メモがあっても、加盟店に相談がない点は変わらない。定刻までは発注を取り消せるという点で、事後とはいえメモがある分、悪質性は下がるが、本部と加盟店との力関係からすれば、事実上の強制として働きかねない。



女性は次のように語る。



「自分が間違って入力したんじゃないかと思って、発注を取り消したことがあったんです。あとでSA(ストアアドバイザー:本部の経営相談員)さんから『消したでしょう』と強い口調で言われました」





具体的な店名をあげたうえで、ミニストップに「事後報告で発注することは認められているのか」と尋ねた。



回答は「無断発注はNGだという社内ルールがある」としつつ、細かい発注の仕方については規定がなく、「店舗との信頼関係による」というものだった。



●本部社員が自腹で売れ残りを買っていくことも…

用紙が残っていたのは、ミニストップ石巻渡波店(宮城県石巻市)。経営不振などから売上金の送金ができなくなり、2019年11月に「強制閉店」となった。





店の元オーナー・内海裕美さんは、「発注した覚えがない商品が売れ残ると、店のスタッフからも『また、SAさんが入れたのね』という話が日常的に出ていました」と語る。



相談なく発注されるのは、本部が「重点商品」に指定しているものや、定期的に実施するフェアなどイベント関連の商品が多かったという。



「フェアのときは、くじの当たり券が残りわずかなのに、景品として引き換える商品を大量に発注されたこともありました。こっちは廃棄を抑えようと一生懸命なのに、『どうして…』という気持ちになることはありました」



一方で、「本部の社員はサラリーマン。発注にもノルマがあったんじゃないでしょうか」と同情する気持ちもあるという。



「あるSAさんは『売れ残ったら自分が買い取りますから』と発注を入れて、本当に買って帰りました。ギフト商品を自腹で10個買ったSAさんや、商品を予約・支払いだけして、取りに来なかったSAさんもいました」





●発注は加盟店の独立性にかかわる問題

内海さんによると「発注しました」という本部社員のメモが残っていた2019年は、年明けから利益配当金(オーナーの収入に相当)がゼロだったという。



「7月から本部が月35万円の『奨励金』を出してくれることになったのですが、(食品などの)廃棄の目標金額などが決まっているので、なおさら発注の取り消しは考えられなかったです」



店側の記録によると、奨励金が出るようになってからは利益配当が出ている。メモを残した本部社員が店の不利になるような発注をしていたかと言えば、必ずしもそうではないのだろう。



ただし、コンビニフランチャイズ加盟店は、本部と対等な関係にある独立した店舗であるという大前提がある。どの商品をどれだけ仕入れるか(発注)は、加盟店の独立性に大きくかかわる問題だ。



内海さんは「知識もなく、本部のなすがまま、言われるがままだった私が悪かったのだと思っています」としつつ、次のように話している。



「新しいオーナー希望者に『誰でもできる』なんて言葉を簡単に言ってはダメだと思います。今の仕組みのままだと、お世話になったSAさんたちも、長く働きづらいだろうなと感じます」