近年、邦画のヒット作といえばアニメ作品が多い。2019年邦画興行収入1位は「天気の子」(140億2000万)で、上位5作品中4作品がアニメ映画だ。邦画はアニメで好調と言えるが、いわゆる"普通"の映画はどうだろう。
ガールズちゃんねるに1月14日、「邦画がつまらないのは何故ですか?」というトピックが立ち、邦画がヒット作を出せていない原因についてコメントが寄せられた。
トピ主は、漫画やアニメなど原作がある作品の実写化ばかり、似たようなキャストばかり、恋人が難病で死ぬラブストーリーばかりと、お金を払って映画館に観に行こうと思う邦画はまったくないと不満を語る。(文:石川祐介)
「恋人が死ぬんだよ?可哀想でしょ?泣けるでしょ?っていうのが透けて見える」
トピックにはシナリオに関する不満の声が相次いだ。
「恋人が死ぬんだよ?可哀想でしょ?泣けるでしょ?っていうのが透けて見えるような映画が多い。『泣かせたいにしてももうちょっと工夫しろよ』と思う」
「のっぺり始まって盛り上がるのかと期待するんだけどそのままのっぺり終わって。感想が『だから?なに?』ってなる」
「なんやかんやあった後に恋人や家族が死ぬ」というワンパターンなシナリオや、展開にメリハリがなく何を伝えたいのかもわからず、見終わった後に何とも言えない気持ちになる作品が多いという声が多く見られた。キャスティングに関するコメントも散見される。
「映画スターがいない。テレビで見る役者やアイドルばかり」
「ハリウッドみたいに映画俳優とテレビ俳優って住み分けしてたら映画も特別感が出るのかも」
邦画だと、トレンドの俳優が起用されることが多い。「この前はドラマで冷酷な役をやってたけど、この映画ではハートフルな役だな」とテレビ・映画問わず多くの作品に出演するため、特別感を得られなくなってしまう、ということだろう。偏ったキャスティングは"事務所のゴリ押し"が透けて見えると指摘する人もいる。
「お金のかけ方が違う気がする。やっぱり邦画は洋画と比べて安い感じがするかな」
「私は邦画も洋画も好きだけど、お金のかけ方が違う気がする。やっぱり邦画は洋画と比べて安い感じがするかな」
邦画に厳しい声が相次ぐ中、洋画を称賛するコメントも多く寄せられた。海外映画は予算のかけ方が豪快だ。製作費10億円というと日本なら超大作映画となるが、ハリウッドだとまだまだ低予算の範疇になる。かけられているお金が違うため、洋画は迫力満点な演出が見られるという声が多い。
『地獄でなぜ悪い』『冷たい熱帯魚』などで知られる園子温監督は2016年、ツイッターで「中国もアメリカも学生の自主映画の平均制作費は1億以上。ところが日本は商業映画の平均制作費すらその半額以下。大陸の商業映画とのケタ違いの予算のなさを嘆くか否か一応、嘆こう」と投稿していた(現在はアカウント削除済み)。
スレッドでも、予算があればそれなりにクオリティが高くなるという声もあるが、「洋画もつまらなくなってきたよ。特にCGに頼りきりのやつ。美しいし迫力あるけど、それだけ」という声も寄せられている。たしかに技術の向上を目の当たりにして感動することはある。しかし、それよりもシナリオや演技に対しての感動を求めている人も多いようだ。