厚生労働省は1月15日、就職氷河期世代を対象に正規職員を採用募集したところ、採用予定人数10人の枠に1934人の応募があったと発表した。同省は今後、筆記や面接試験を行い、3月末をめどに内定者を決める。
就職氷河期世代は、バブル崩壊後の1993~2004年ごろに、就職活動が厳しい状況に置かれ、満足のいく就職が難しかった現在の30代半ば~40代半ばが該当する。
内閣府でも「若干名」の2枠に計685人の応募 「予想がつかなかった」
同省の選考案内によると、募集職種は政策の企画・立案・施行などを担う常勤係員。一般に就職氷河期世代にあたる35~49歳を対象に、昨年12月25日から今年1月10日まで募集していた。
応募には「過去1年間に正規雇用の実績がない」「過去5年間に正規雇用として働いた期間が通算1年以下」などの条件があり、支援が本当に必要な人に対象を限定したい狙いが見て取れる。だが、10人の定員は狭すぎる門。実際に、倍率は約190倍にのぼる。
同省の担当者は、こうした定員の理由について
「省全体の定員が決められていることもあり、業務上の必要に応じて設定した」
と説明。今後の選考については「経歴や実績のみを重視するのではなく、意欲や能力を総合的に判断していきたい」とした。
内閣府でも就職氷河期世代を対象に正規職員を募集。いずれも「若干名」としていた係員級と係長級の採用枠にそれぞれ218人、467人の応募があった。担当者は「いろんな自治体の応募状況は把握しているが、予想がつかなかった」とコメントしている。