奈良県天理市は1月16日、総務部の課長級の50代男性職員がアルバイト応募者の履歴書をスマートフォンで撮影し、LINEで同僚や友人に送ったとして、男性職員を減給10分の1(6か月)の懲戒処分にしたと発表した。
市によると、男性職員は昨年12月12日、総務部で募集していたアルバイト応募者1人の履歴書をスマホで撮影。その後、LINEで同僚や職員OBのほか、個人的につながりがあったゴルフ仲間ら計23人に送信した。
普段から「今日食べたもの」などを共有 個人情報の区別できず……
LINEで履歴書の画像を受け取った一部の職員が、男性職員とその上司に相談したことで発覚。画像には応募者の写真のほか、住所や経歴などが含まれていた。送信先はグループのほか、個別に送った相手もおり、送信回数が複数回にわたるという。
市は、全受信者のスマホ上から画像を削除したことを確認した上で、応募者に謝罪。謝罪は受け入れられたが、不安を感じていたといい「今後、同様のことがないよう注意してほしい」と言われたという。なお、アルバイトの応募については辞退の申し出があった。
男性職員は普段から、ランチで食べたものや休日に出掛けた場所などを撮影して、LINEで共有していた。市は、原因について「個人情報の取り扱いに関する認識不足」と説明。男性職員は
「いつものように軽い気持ちで送ってしまった」
と話しているという。昨秋からアルバイトの募集を始めたが、応募が1人もなく、今回が初の応募者だったことから「やっと見つかったという安堵の気持ちがあった」という。
同市の並河健市長は「市民の信頼を著しく損なう事案が発生したことは誠に遺憾であり、心よりおわび申し上げます」と謝罪。今後は法令順守と服務規律の確保に一層努める、としている。