介護業務の人材紹介などを行うコーディアリティケアは1月15日、「介護のお仕事」に関する調査結果を発表した。調査は2019年12月にネット上で実施し、現役介護職員1020人から回答を得た。
厚生労働省の調査によると、日本企業の平均離職率は8.5%。一方、介護労働安定センターを見ると介護職従事者の離職率は16.2%となっている。実際、「現職へ不満がある」と回答した人は82.8%にのぼった。
職員が働きやすくなるために施設が取り組むべきこと1位は「給与引き上げ」
具体的な不満を聞くと、最も多かったのは「正当に評価されていない」(45.7%)。2位以降、「人員不足」(43.3%)、「休みが取れない」(25.2%)、「経験を活かして仕事ができない」(24.2%)、「施設長と馬が合わない」(20.4%)、「古株の職員の存在」(19.6%)、「夜勤明けの休みがない」(8.8%)と続く。
職員がより働きやすくなるために施設が取り組むべきと思うことを聞いた。1位は「給与の引き上げ」(67.1%)で、次いで「休日の取りやすさ」(52.9%)、「労働時間の短縮」(36.1%)、「キャリアアップ支援」(15.2%)と続く。
同社は、「現職の不満であがった『正当に評価されてない』というのは、その分給与が引き上げられていないと推測されます」とコメントしている。
転職の経験がある人は80.6%にのぼる。前職を辞めた理由を聞くと、1位は「昇給・昇格が見込めない」(35.4%)。2位以降、「施設の雰囲気が苦手だった」(31.1%)、「自分が望む仕事に就けない」(27.6%)、「人手不足に対して何も改善されなかった」(24.6%)と続く。
転職することになったきっかけは「給与が低かった」(54.7%)が過半数で、ほかには「労働環境の悪化(人間関係含む)」(41.3%)、「施設の運営方針と合わなかった」(28.4%)といった声も多かった。具体的には、
「給料と仕事量が見合っていなかった」(徳島県/40代/男性)
「真面目に仕事をしているのに、職場の雰囲気を悪くする上司がいたため」(東京都/50代/女性)
「サービス残業が多かった…」(埼玉県/50代/女性)
といった声が寄せられた。