マツコ・デラックスさんが1月13日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)で、香川県の「子どものゲーム依存症対策」の条例素案について、一定の理解を示すコメントした。
番組では、読売新聞の記事を紹介。香川県議会が10日、子どもがインターネットやゲームの依存症になるのを防ぐため、スマートフォンなどの使用を平日は60分、休日は90分以内に制限することを保護者に求めた条例素案を示した。今年4月から施行を目指すとのこと。努力義務を課すが罰則はないという。(文:okei)
「ある程度時間を区切らせるのは必要じゃない?」
株式トレーダーの若林史江さんが、「国がタブレット教育を進めている中で、子どもだからといって時間で区切るのは本末転倒」といった意見を述べると、マツコさんは、「でも、そういうタブレットとか授業で使うものと、SNSとかゲームをやってるのって意味が全然違っていて」として、
「(スマホ依存は)あれもう病気だから。それを制限する方法は、これがベストのやり方とは言わないけど、何かやっとかないとこれからどんどん依存症の人が増えていっちゃうよね。無制限にやらせちゃうと」
と考えを述べた。香川県の条例に賛成というわけではないが、なんらかの依存症対策をすることについては理解を示した形だ。
これに若林さんは、「依存症にまでなってしまう過程を大人達が理解した上で、子どもたちに家庭で教えるべき」と語ると、マツコさんは論点を大人にも向け、
「でも子どもだけじゃなくて大人も、"通勤時間帯は使用禁止"とか、それぐらいの制約を設けてやらないと、1日中見てる人いるじゃん?」
と、持論を口にした。マツコさんは衝撃だった例として、中国でスマホを見ながら立体駐車場や噴水に誤って落ちてしまった人のエピソードを語り、日常生活に支障が出てしまうほどの依存に強い懸念を感じているようだった。
「だから、自分でやめられればいいんだけど、そうじゃないくらい深刻になってきてるんだったら、ある程度時間を区切らせるのは必要じゃない?」
と、考えを付け加えた。
ゲーム依存症は世界的な問題になっているが……
この「香川県、スマホやゲームは1日1時間に規制」というニュースはネット上で注目を集め、「ゲームが悪いわけじゃない」といった多くの批判が上がっている。精神科医の斎藤環氏はツイッターで、
「ゲーム依存の対策は、PCやゲーム機を捨てることじゃない。セルフコントロールの獲得だ。規則や禁止は自制心の発達を阻害する。香川の子どもはどんどんゲームすればいいと思うよ。どうせ罰則ないんだから」
などと批判し、リツイートや賛同が相次いだ。
脳科学者の茂木健一郎氏は「ゲームを制限したり禁止するのではなく、ゲームワールドの最先端、グローバルな地図を子どもたちに教えて日本の遅れたしょぼい学力感をアップデートしたらいい!」と、自身のYouTubeチャンネルで持論を展開。日本の古い教育観を痛烈に批判し、「むしろ最先端のゲームカルチャーを大人たちが伝えるべき」と力説している。
こうして見ると、マツコさんの意見は少数派のようだが、ゲーム依存症が世界的に問題になっているのも事実だ。世界保健機関(WHO)は2019年5月、ゲームのやり過ぎで日常生活が困難になる「ゲーム障害」を、アルコールやギャンブルなどの依存症と並んで国際疾病として正式に認定。中国政府も昨年11月、若者のオンラインゲームについて時間規制の措置を打ち出している。一方的に子どもからゲームを取り上げるのではなく、大人も含めた「依存症対策」自体は、何かしら考えていくべきなのだろう。