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佐藤健が考える“自分を見失わない”仕事のやり方 「ベストな道が見つかるまで考える」

2020年01月14日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

佐藤健『恋はつづくよどこまでも』(c)TBS (c)円城寺マキ/小学館

 上白石萌音と佐藤健が繰り広げる、誰もが応援したくなる胸キュンラブストーリーがついに始まる。1月14日からスタートする火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』は、佐藤健が「魔王」と呼ばれるほど、ストイックすぎる医師に変身! これまで様々なキャラクターを演じてきた佐藤だけに、どんなドSキャラを演じるのか注目だ。もしかして、佐藤自身の中にもドSな部分がある? そんな素顔を探るべくインタビュー。読めばあなたも、上白石萌音演じる佐倉七瀬のように、思わず翻弄されちゃうかも!?


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■「ドSキャラ、正直楽しんでます」


――すでに、世間ではドS医師を演じる佐藤さんへの期待で盛り上がっていますが、ご自身ではいかがですか?


佐藤健(以下、佐藤):ありがとうございます。こういったジャンルのものも新鮮ですし、映画が続いていた中、連続ドラマというところも、上白石さんとの共演も、非常に楽しみにしていました。今回演じる天堂は「ドS」と言われていますが、個人的には仕事に対するストイックになる感じは、わからなくもないんですよね。命を扱う現場に身を置いているのであればなおさら。1つのミスが誰かの生死に関わるということなので。厳しくならざるを得ないという意味で、共感できるところはあります。もちろん、ドラマ的に多少誇張されている部分はあると思いますが、芯のところでは理解ができるので、無理なく演じられると思います。


――予告編を見ても、かなり七瀬に対してズバッと言うシーンがありますが。さすがに“これはやりすぎかな”という気持ちは?


佐藤:やりすぎだなって違和感を持ったら、無理して演じないかな。台本の段階から、そのニュアンスは話し合いながら役作りしています。今回の作品は、結構コミュニケーションを取りながら作っているところもありますし。よりよいものを作るために意見を出し合える良い現場です。


――では、あのドS発言は佐藤さんなら言うかもしれない感じで、視聴者がキュンキュンしちゃっても大丈夫でしょうか?


佐藤:はい(笑)。でも、現実にはここまで人に厳しく対応することって、逆にできないじゃないですか。真正面から怒る機会もなかなかないですし。なので、天堂の役は演じていて楽しいですよ。正直、ちょっとスッキリするくらい(笑)。


――上白石さんは、厳しいセリフを言われてどんな反応を?


佐藤:カメラが止まったあと「辛いです」「怒られてばっかりで悲しい」って言ってますね。


――そこでフォローされたりするんですか?


佐藤:いや、じっと見るだけです。


――ナチュラルにドSじゃないですか!(笑)。


佐藤:(笑)。こういうのも悪くないなと思いながら、楽しませてもらっています。


――佐藤さんも天堂のようにツンデレ男子?


佐藤:そんなことないと思いますけどね。というか、ツンの部分はないですよ。


――では、デレも抑えめですか?


佐藤:いやいや、デレはふんだんに(にやり)。


――その冷静さと甘さの共存が、多くの人を夢中にさせているんですね。ずるいですね。


佐藤:(じっと見つめて)だといいですね。


――佐藤さんは公式LINEのメッセージが「彼氏味が強い」と話題になっていましたが、そうした相手の心を掴む会話はどうやって習得されたんですか?


佐藤:相手の心とか考えてることって、そもそもわかるものじゃないので。どうしたら相手が喜んでくれるかなっていうのは考えるようにしています。何をしてほしいのか、逆に何をしてほしくないのか。そういう思いやる気持ちだけですよ。


■「みんなと仲良くなろうと、好きな食べ物ランキングを……」


――番組の発表会見で、「七瀬のように笑顔にさせてくれる女性が好き」とおっしゃっていましたが、実際に演じてみてさらに魅力を感じましたか?


佐藤:そうですね。見ていて面白い子は、やっぱり素敵だなって思います。面白いっていうか、笑えるし、元気になるというか。今回演じてて思うのは、あんなふうに真正面から「好き好き」と言われるのは、悪い気はしないし、むしろうれしいです。さらに、自分に釣り合おうと頑張る姿も非常に可愛らしいですよね。


――撮影現場の様子はいかがですか? 共演者のみなさんとは、どんなお話を?


佐藤:僕、基本的に七瀬と2人のシーンがほとんどなので、早く他の共演者のみんなと打ち解けたいとは思ってるのですが、自分からガツガツいくタイプではないので、ちょっと時間がかかってますね。この前も、仲良くなろうと思って、「好きな食べ物ランキングを決めようよ」と話したんですが、それが1週間くらい続いちゃって。ベスト3を発表したんですけど、次の日になると「あ、やっぱり訂正します」って……。


――ちなみに、そのときにどんなベスト3を発表されたんですか?


佐藤:僕の1位はお寿司。コハダです、僕は。


――シブい! そうなると2位、3位も気になります。


佐藤:2位はウナギってことで話がついたので、あのときは。でも、今はちょっと違うかな。お米ですかね。白米。で、3位はおにぎりです。


――1から3位まで、全部お米っちゃお米ですよ!(笑)。


佐藤:(笑)。


――おにぎりの具では?


佐藤:本当に塩だけでも純粋に好きですし。あとは辛子明太子とツナマヨ。


――なるほど。確かに盛り上がりますね、好きな食べ物ランキング。


佐藤:そうなんですよ。地味に1週間かかるくらい難しいことをしていたんです。納得でしょ?(笑)。仲良くなるには、相手のことを知ることからと思ったんですけど、意外と深くて。


――でも、食べることって基本ですからね。


佐藤:こういう仕事をしていると、特にそうなんですよね。現場に入って、気分転換できるのは食事ぐらいだったりするので。なので、このランキングは、ずっと突き詰められます(笑)。


■「僕を嫌いにならないと約束できる人だけ、見ても良い」


――2020年1月スタートのドラマになりますが、今年はどんな1年にしたいと考えていますか?


佐藤:昨年は令和が始まって、新たな時代という印象が強かったです。僕自身にとっても30歳になって、人生の次のステージが始まったという年でした。『るろうに剣心』が撮り終わって、その後にも連続して作品が入って……そういう意味で、今年も新しい章が始まっていく感覚ではありますが、本質的には仕事に向き合う姿勢は変わらないです。一生懸命やって、いい作品に出会って、いいパフォーマンスをしていきたいなと思います。


――30代になって、1年があっという間に感じませんでしたか?


佐藤:それ、僕いつも思うんですけど、みんな絶対言うじゃないですか。なので、僕は驚かないようにしています。1年は短く感じるものなんだなって。だから、短いんだって思って1年過ごすようにしています。みんな毎年ビックリしたように言うから、面白いなと思って見ていますけど。


――こんな大人の男性になりたいというイメージは?


佐藤:理想というと難しいんですけど、全ての質問に答えられる人になりたいですね。それは知識面でもそうですし、どんなクエスチョンに対しても自分なりの答えがある人というか。


――天堂にも通じるストイックな姿勢がある佐藤さんですが、その原動力というか、モチベーションはどこにありますか?


佐藤:たくさんあります。1つは見られる仕事だから、ダサい姿を見せたくないっていう思いもありますし、ありがたいことに期待して待ってくれているファンの方々もいてくださるので、そういう人たちのために……とも思いますし。あとは、男としてせめて1つくらい自分の職業くらいは誰にも負けたくないって思う気持ちもあります。でも、何が何でも最前線を走り続けたいとは思わないですけどね。今は別に楽しいから仕事をずっとやっているんですけど、他に楽しいことが見つかるんだったら一旦お仕事を休憩して、人生を楽しむみたいなことにも抵抗感はないです。


――仕事との向き合い方にしても、人生の時間の流れにしても、すごくフラットに捉えられているんですね。固執されていないというか。


佐藤:そうですね。やるからにはやりたいんですけど、だからこそやらないならやらないということかな。中途半端はないんだと思う。いろんなジャンルのことを経験したいですし、そのなかでやりたいことが見つかって、実現して……というふうにつながっていけたらいいなと思っています。


――運命の流れにあらがわず、それでいて自分を見失わないバランス感覚をどうやって維持されているんですか?


佐藤:とにかく考えるってことですね。人間の頭の良い悪いって、思慮深いかどうかだと思っていて。今取るべき行動は何なんだ? というベストな道が見つかるまで、時間をかけてでもちゃんと考える。「これだ」と決まったら、あとはもう行動すればいいので、迷うことはないじゃないですか。今、こうすることがベストだから、こうする。それを連続していけば、悔いのない人生ができるんじゃないかなって。


――その思考量が、佐藤健の魅力につながっているんですね。では、最後にドラマを楽しみにされているみなさんにメッセージをお願いします。


佐藤:僕が見る限り、本当に純粋に七瀬が可愛いので、僕はただただひたすらひどいことを言い続けてます。多分、「天堂先生そこまでひどいこと言わなくても良いのに」「七瀬ちゃん可哀想」って言いながら、見るドラマになると思います。なので、僕のことを嫌いにならないように。そこだけ約束していただいたら、見ても良いです。


――まさかの許可とは!


佐藤:嫌いになる可能性がある人は見ないでください(笑)。


(取材・文=佐藤結衣)