トップへ

記録映画『三島由紀夫VS東大全共闘』3月公開 東出昌大がナビゲーター

2020年01月10日 13:20  CINRA.NET

CINRA.NET

『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』ポスタービジュアル ©2020映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」製作委員会
ドキュメンタリー映画『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』が3月20日から公開される。

1969年5月13日に東京大学駒場キャンパス900番教室で行なわれた、三島由紀夫と東大全共闘による討論会の模様を切り取った同作。昨年発見された討論会のフィルム原盤を高精細映像にリストアし、当時の関係者や現代の文学者、ジャーナリストといった識者らによる三島由紀夫についての「生きた」証言を集めて制作された。2時間半にも及んだ討論会には、警視庁の警護の申し出を断って単身で赴いた三島由紀夫と、武装化した東大全共闘ら1000人を超える学生が集まったとのこと。

同作には三島由紀夫本人や東大全共闘、「楯の会」の参加者などの姿が映し出されているほか、平野啓一郎、内田樹、小熊英二、瀬戸内寂聴、椎根和らが登場。ナビゲーターを東出昌大、企画プロデュースを平野隆が担当した。監督を務めたのは豊島圭介。

三島原作の舞台『豊饒の海』に出演し、多くの三島作品を読破してきたという東出は「『討論 三島由紀夫vs東大全共闘』は以前拝読しましたが、映像作品化される事によってよりスムーズに、この時代、日本人、現代を再考し、発見が生まれる機会が得られる事を期待しております」とコメント。

平野隆は「日本が生んだ最強の作家・三島由紀夫と知の巨人達との論戦はまるでアクション映画を観ているようにスリリングで手に汗握ります。大きなスクリーンで観たい、観て頂きたいという思いから映画化の道がひらけました」、豊島圭介監督は「とにかく全員が、火傷しそうに熱い。50年経った今の姿も登場するが、よく見てほしい。『なんだ昔より熱いじゃないか』とたまげるはずだ。映画館を出たとき、たぶん日本はこれまでと違って見える。そんな映画です」と語っている。

発表とあわせて特報映像、ポスタービジュアルが公開。「三島由紀夫、自決1年前の伝説的決闘が蘇る」というナレーションで始まる特報では、マイクを手にした三島が「私は安心している人間が嫌いなんで」と述べる様子や、東大全共闘の姿、「革命じゃねえんだぞ、バカ野郎!」という罵声、三島の「その言葉を、言霊を私は残して去っていくんで」という言葉などが確認できる。またポスタービジュアルには「圧倒的熱量を、体感。」というコピーが使用されている。

■東出昌大のコメント
・ナビゲーターのオファーがあったことについて
三島と同窓の豊島監督が、どのような視点で映像作品にされるのか、大変興味がありました。『討論 三島由紀夫vs東大全共闘』は以前拝読しましたが、映像作品化される事によってよりスムーズに、この時代、日本人、現代を再考し、発見が生まれる機会が得られる事を期待しております。
・三島由紀夫の印象について
不世出の天才。

■平野隆のコメント
「議論する」なんてダサイ。「熱くなる」なんてカッコ悪い。
そんな風潮が蔓延している昨今、この映画はドンキホーテの如く何かに向かって疾走しています。
文化、芸術、政治に於いて60年代は日本、そして世界が最も輝いていた時代であると憧憬しておりましたが、その締めくくりに過激なほど熱い男達のドラマが繰り広げられていたのです。
今回、緑山スタジオで新たに発見されたフィルムによって皆様にこの熱狂のドキュメンタリー映画をお届けする事が出来ることとなりました。
日本が生んだ最強の作家・三島由紀夫と知の巨人達との論戦はまるでアクション映画を観ているようにスリリングで手に汗握ります。大きなスクリーンで観たい、観て頂きたいという思いから映画化の道がひらけました。
この天才たちの饗宴は天才VS天才であるが故に時に難解ではありますが、理解するのではなく“体感”して頂ければ、最後に極上の感慨に浸ることも出来るかと思われます。
製作者としては勿論若い人達にも観ては欲しいのですが、こんな“特別なもの”はオッサン達だけで熱狂するのも悪くはないと思います。

■豊島圭介監督のコメント
とにかく濃い。映っている人間たちがべらぼうに濃い。文豪でありながら身体を鍛え上げ民兵組織「楯の会」を作るような奇妙なスーパースター三島由紀夫は、千人の敵をまとめてなぎ倒すつもりで討論に来ている。特濃である。迎え撃つ東大全共闘も、挑発したり、恫喝したり、内輪もめしたり、こちらもかなりの濃度で三島に挑む。とにかく全員が、火傷しそうに熱い。50年経った今の姿も登場するが、よく見てほしい。「なんだ昔より熱いじゃないか」とたまげるはずだ。映画館を出たとき、たぶん日本はこれまでと違って見える。そんな映画です。