フィンランドのマリン首相が、週休3日制の導入を検討する考えを示した。英紙ガーディアンが6日に報じた。同国は現在、日本を含めた大半の国と同様に、1日8時間労働、週休2日制が定着しているが、思い切った改革に取り組むようだ。
同紙は「フィンランドが週4日勤務を検討 これが幸福の秘密か」と題した記事を掲載。週休3日にすることは、従業員の生産性を高めるだけでなく、二酸化炭素の排出量を下げるなど環境にも優しい取り組みだ、と記事は説いている。
スウェーデンでは「1日6時間労働」を試験導入
米通信社CNBCは同日、マリン首相の発言を盛り込んだ記事を掲載。マリン首相は、週休3日制を「労働生活の次なる一歩」と位置付けた上で
「人々は家族や愛する人、趣味などにもっと時間を費やすべきだ」
と述べた。さらに、1日6時間労働制も併せて検討するという。
同記事によると、フィンランドはフレックスタイム制をいち早く提唱した国の一つで、ワークライフバランスが良いとされる北欧諸国のうちの一つ。1996年には従業員が就業時間を最大3時間まで前倒し、もしくは後ろ倒しに調整できるようにする法律を導入していた。
フランスでも働き方改革は進められており、2000年に週39時間だった労働時間を同35時間まで削減。同じく北欧のスウェーデンでは15年から、1日6時間労働を試験的に導入しており、労働者の生産性や幸福度が向上したとみられている。
日本では19年8月に、日本マイクロソフトが週休3日制を試験導入し、生産性が約4割上がったと報告。従業員の94%が取り組みについて「評価する」と回答していた。
ネット民「フィンランドに移住するわ」「いいなぁ」
報道されるや否や、5ちゃんねるにはスレッドが登場。主な書き込みでは
「すまんフィンランドに移住するわ」
「ええなフィンランドのこの機動力のある思い切った政策が出来ることの強さ」
「いいなぁ」
と羨ましがる声が目立った。
【※1月8日追記 フィンランド大使館は7日午後5時半ごろ、公式ツイッターで「新政権と首相が所属している党の目標にもないし、計画もない」と報道内容を否定。フィンランド政府も同9時すぎに同様のツイートを投稿した。
同政府によると、マリン首相は運輸通信大臣だった昨年8月にパネルディスカッションで労働時間を短縮するビジョンを発表。一連の報道は、当時の発言内容を最近のものと取り違えた可能性がある】