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東京メトロ銀座線渋谷駅、新駅舎が供用開始 - 屋根はM型アーチ状

2020年01月03日 09:52  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
東京メトロ銀座線渋谷駅が1月3日始発から新駅舎での営業を開始した。12月27日夜から行われた線路切替工事・ホーム移設工事を経て、明治通り上空に1面2線の新ホームが築造され、始発列車の発車を前に新駅舎供用開始式典が行われた。

銀座線渋谷駅の新駅舎は「フューチャーシティ」をデザインコンセプトに、変化し続ける渋谷の近未来的な要素を取り入れつつ、地上から見上げたときに駅舎の圧迫感を与えない外観に。新駅舎の屋根上にスカイデッキを設置する予定があり、これを支持しやすい構造としてM型アーチ状の屋根が採用された。構造上の強度とデザインの課題を解決するとともに、柱のない広々としたホーム空間を実現している。

新駅舎の供用開始に先立ち、12月27日夜から1月3日早朝にかけて3回目となる線路切替工事・ホーム移設工事が実施され、年末年始の工事期間中、銀座線は浅草~溜池山王間・青山一丁目~表参道間で折返し運転を行った。旧ホームから約130m東側に移設された新ホームは1面2線(うち1線は行き止まり式)で、ホーム幅は約12mとされた。

床面などは供用開始時点で仮仕上げとされ、東京オリンピック・パラリンピック開催までに仕上げを行い、あわせてホームドアも設置する予定。駅舎内の仕上げを白で統一することにより、明るい空間を演出するという。改札口は新ホームの両端にあり、JR線・京王井の頭線・東急田園都市線へは渋谷スクランブルスクエア方面改札、東急東横線・東京メトロ副都心線へは明治通り方面改札から乗り換えられる。将来的には「渋谷ヒカリエ」2階と接続する改札口も開設予定(時期は未定)となっている。

1月3日早朝に行われた新駅舎供用開始式典では、始発列車に使用される銀座線1000系の特別仕様車両が入線した後、東京メトロ代表取締役社長の山村明義氏が挨拶。12月27日に営業終了となった旧駅舎に関して、1938(昭和13)年の開業以来、大規模な改修を行っていなかったこともあり、「乗車ホーム・降車ホームが分かれていただけでなく、幅の狭い改札口、わかりにくい通路、上下移動の多い構造ながらほとんどが階段であることなど、安全・サービス面で課題を抱えていました」と話した。

こうした状況を改善するため、渋谷駅街区基盤整備と連携し、2009(平成21)年2月から移設工事に着手。「相対式で幅3mしかなかった狭いホームから、11年の工事期間を経て、島式で幅12mの新ホームが供用開始します」と山村社長は言う。M型アーチ状の屋根にも触れ、「デザインが特徴的。M型屋根で遠くからも視認でき、ランドマークとしてのわかりやすさ、回遊性の向上などにもつながると確信しています」と述べた。

式典では、山村社長や工事関係者らによるテープカットセレモニー、駅長による出発合図も実施。始発列車に使用される銀座線1000系の特別仕様車両は式典の後、所定停止位置に据え付けられ、5時1分に渋谷駅を発車した。なお、銀座線渋谷駅では1月3~16日の約2週間、案内専門のスタッフを配置する予定。平日朝ラッシュ時間帯には警備員を配置し、乗換え等の案内を行うとしている。(上新大介)