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SixTONES×Snow Man、最高の好敵手が繰り広げる美しき競争 それぞれのデビュー曲MVから感じたこと

2019年12月30日 15:32  リアルサウンド

リアルサウンド

Snow Man

 いよいよ2020年がすぐそこまでやってきた。人気ジャニーズJr.のSixTONESとSnow Manが同時CDデビューを果たす1月22日まで、もうすぐだ。一足先にYouTubeの公式チャンネル『ジャニーズJr.チャンネル』を卒業し、単独チャンネルを開設したSixTONESに続き、Snow Manも12月24日に新チャンネルを開設(登録は12月10日)。早速、Snow Manはデビュー曲「D.D.」のMVを、そしてあわせるようにSixTONESもデビュー曲「Imitation Rain」のMVをアップした。


(関連:Snow Man、ジャニーズJr.チャンネル卒業ーー最終回を機に“思い出のアルバム”を振り返る


 Snow Manによる「D.D.」のMVは、彼らが放つ白のイメージをより強調する仕上がりに。人間の目には、赤、青、緑という相反するような色の光が組み合わさると白に見えるという。それぞれの異なるカラーが融合して、磨き上がったSnow Manの今を象徴するようなMVだ。


 また、彼らの真骨頂であるダンスにも注目を。12月5日、『YouTube FanFest Japan 2019 MUSIC LIVE SHOW』でパフォーマンスを披露した際に、深澤辰哉が「アクロバットもバリエーション、たくさんあるので」と語っていたように、見るたびに複雑なフォーメーションチェンジ、激しいアクロバットで楽しませてくれる。


 1度目の再生で彼ら一人ひとりの表情に見とれ、2度目に全体の動きにため息をもらし、3度目に改めて一人ひとりの動きに注目し……と、何度見ても飽きることがない。実際に、多くのファンがそうして何度も楽しんだのではないだろうか。公開から3日間で160万回再生を突破(12月27日現在)。今も、そのカウンターは動き続けている。


 一方、Snow Manに先駆けて公開したSixTONESの「Imitation Rain」のMV。こちらも、12月27日現在180万回再生を突破と、大きな注目を集めている。Snow Manが異なるカラーを取り込んだ白ならば、SixTONESは決してブレない黒だ。デビュー曲のMVでありながら、その映像は全体的にほの暗く、陰影が強い。そのため、顔に影がかかっているカットも目立つ。


 アイドルのMV、しかもデビュー曲としては、顔が見えにくいというのは、かなりの挑戦作と言える。だが、そこに彼らの覚悟が見え隠れした。これまでのアイドル像ではなく、SixTONESという新たな領域を築いていくのだという意気込みが感じられる。


 撮影には、実際の水、雨、炎を用いていると概要欄に記載されていた。思い通りには動いてくれない自然のアイテムを使うこと。それは、そのまま彼らの挑む“一筋縄ではいかない”世界を表しているかのようだ。今後は彼らが動けば、大きな飛沫が上がることだろう。距離を間違えればやけどをすることもある。だが、それでも彼らは歌い、踊り続けることを選んだ。その気合みなぎる表情に、松村北斗がドキュメンタリー『RIDE ON TIME ~時が奏でるリアルストーリー~』((ジテレビ系)で語った「目指すは、世界的人気者」という言葉が脳裏をよぎる。


 デビューシングルには、“Snow Man vs SixTONES”または“SixTONES vs Snow Man”の文字が記されている。その文字通り、彼らの関係は共にジャニーズJr.として活躍してきた仲間であり、ジャニーズのこれからを担う同志でありながら、トップアイドルを目指す上でのライバル。そして、その関係性はグループ内のメンバー間にも成立している。誰よりも認める相手だからこそ、最高の好敵手になる。


 近年、日本では“みんなが1等賞”という風潮もあった。ナンバーワンを目指すよりも、オンリーワンに……と。だが、それはナンバーワンを目指すのをやめようと勧めるものではない。ナンバーワンになろうと努力する中でこそ、オンリーワンが磨かれていくということ。SixTONESとSnow Manの切磋琢磨を見ていると、共に闘うライバルがいることそのものが幸福だと感じさせてくれる。


 2020年、彼らがメジャーデビューする年に、日本ではアスリートたちの祭典も行なわれる。喜びに湧いたり、悔し涙を流したり……清々しい勝負の世界が繰り広げられるその年に、SixTONESとSnow Manの美しき競争を見守り、全力で応援したい。(文=佐藤結衣)


※高地優吾の「高」は「ハシゴ高」が正式表記。