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「自宅ベッドで妻と男子学生が…」復讐に燃える夫がひらめいた秘策

2019年12月26日 10:02  弁護士ドットコム

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家に男子大学生を連れ込み不倫した妻。離婚を決意し、男子大学生も懲らしめたいと考える男性が、ある「秘策」について弁護士ドットコムに相談しています。


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男子学生は、男性がいない間に、妻を尋ねて自宅に3時間以上滞在したり、泊まったりしていました。寝室に設置したカメラには、2人で寝ている姿や裸になった妻などが映っていました。



男性は男子学生に、慰謝料のほかに「制裁を与えたい」と、大学に映像を提出しようと考えています。こうした行為は問題ないのでしょうか。平野武弁護士に聞きました。



●「映像提出」は法的リスク満載

ーー大学に映像を提出する行為は、法律に触れますか



映像に映っている妻や大学生の名誉やプライバシーを侵害する行為と考えられますので、民事上、男性(夫)が妻や大学生に対し、不法行為(民法第709条)に基づいて、慰謝料などの損害賠償責任を負うおそれがあります。



ーー映像には、裸になった妻などが映っていたそうです



そのような映像を大学に提出する行為は、刑法上のわいせつ物頒布罪(刑法第175条第1項)や、妻や大学生の社会的評価を低下させる行為として、名誉毀損罪(刑法第230条第1項)に問われるおそれがあります。



さらに、2014年に施行されたいわゆる「リベンジポルノ防止法」の第3条第2項によれば、第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、「私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供」する行為に刑事罰を規定していますので、同法違反を問われるおそれも考えられます。



ーーあらゆる法的リスクがある行為ということですね



たとえ男性に脅迫するつもりがなかったとしても、民事上及び刑事上の責任を問われるおそれがあると考えられますので、そのような行為は控えた方がよいかと考えます。



●慰謝料請求はできる?

ーー男性は大学生に慰謝料請求できるのでしょうか



大学生は男性の妻と不倫したとのことですので、男性は大学生に対し、不貞行為を理由にして、不法行為(民法709条)に基づき、慰謝料を請求することが可能と考えられます。



しかし、仮に男性が裁判で勝訴判決を得たとしても、大学生が判決に従って任意に慰謝料を支払うとは限りません。



その場合、大学生の財産を差し押さえて慰謝料を回収することになりますが、大学生には差し押さえられるような財産がないということも十分に考えられます。



ーー相手が学生だと、費用倒れになる可能性もありそうですね



任意の交渉で早期に和解で解決するか、あるいは、裁判までするか。事前に判断する必要があります。たとえば、交渉の際に、大学生のアルバイト先を聞いておくなど、回収に関わる事実を聞き出すようにしておくことも一考かと思われます。



ーー大学生が未成年だった場合、親に払ってもらうことはできないのでしょうか



大学生が未成年者(現行民法では満20歳未満)である場合は、大学生の親権者に対し、大学生への監督義務違反(民法714条1項参照)を理由に、不法行為に基づく慰謝料請求をすることも考えられなくはないです。



ただ、監督義務違反の立証が非常に困難であると思われますので、あまり親権者の資力に期待することは出来ないでしょう。




【取材協力弁護士】
平野 武(ひらの・たけし)弁護士
1977年生まれ。京都大学法学部卒業後、2005年、司法試験合格。
大阪市内の法律事務所勤務を経て、2012年に独立して、「平野武法律事務所」開業。中小企業法務や家事事件(離婚、相続など)を中心に、精力的に事件に取り組んでいる。
事務所名:平野武法律事務所
事務所URL:https://hirano-lawoffice.jp/