エアトリは12月25日、「児童虐待」に関する調査結果を発表した。調査は同中旬にネット上で実施し、20~70代の男女796人から回答を得た。
「子どものしつけにおいて体罰は必要だと思うか」を聞くと、7割が「日常的に必要」(1.4%)、または「時に必要」(67.8%)と考えていることが分かった。こうした"必要派"は、子どもがいる人で計70.6%、いない人では計67.4%と回答にやや開きがあった。
「体罰のボーダーラインがはっきりすれば体罰そのものが減ると考えられる」
実際に子どもがいる人のうち、約半数は「手を上げたことがある」(49.8%)と回答。さらに、4人に1人が「手を上げそうになったことがある」(26.1%)と答え、どちらも「ない」(24.1%)とした人は最も少なかった。
厚労省がまとめた「体罰のガイドライン」について、こうしたガイドラインを作ることに「賛成」(35.8%)と答えた人は3人に1人ほどだった。回答者からは
「体罰は愛情があれば体罰でないと考えている人や、しつけといえば体罰も許されると考えている人、昔を引き合いにだしてこれは体罰ではないと考える人もいて基準は必要だと思います」(50代女性、子どもあり)
「体罰のボーダーラインがはっきりすれば体罰そのものが減ると考えられる」(70代男性、子どもなし)
という声が挙がった。一方、1割強は「(ガイドライン作成に)反対」(13.4%)という。
「それぞれの家庭によって教育方針は違うし、程度の問題もある」(60代男性、子どもあり)
「昔の人間は体罰で育って筋の通った人間に育った。親子であれば当たり前のこと」(70代男性、子どもあり)
このほか「個性豊かな子どもに単一の物差しを当てるのは相応しくない」という人もいた。
だが、最も大きな割合は占めたのは「どちらとも言えない」(50.8%)という人たち。具体的には「ガイドラインは必要だが、体罰が発生する原因についての議論がおろそか」「指導、教育する側の大人の資質も併せて育てる必要がある」という意見が挙がった。
児童虐待をなくすために「警察の積極的介入」求める声
前述のガイドラインで"体罰"とされたもののうち、自身でも体罰だと思うものを選ばせたところ、トップ3は「冗談で『生まれてこなければよかった』と言う」(子持ち:69.7%、子なし:80%)、「宿題をしないので夕飯を与えない」(同66.9%、73.2%)、「兄弟を引き合いにダメ出しや無視をする」(同65.8、72.1%)だった。
このほか「友達を殴ったので同じように殴る」(同57.5%、62.9%)、「注意しても聞かないので頬を叩く」(同59.4%、54.7%)、「いたずらしたので長時間正座させる」(同55.7%、51.5%)といった項目が半数超えだった。
一方で「他人のものを盗んだのでお尻を叩く」(同38.4%、40.3%)は、「体罰ではない」と考える人の方が多いよう。中には「どれも体罰ではない」(同6.6%、5.9%)とする人もいた。
また、児童虐待をなくすために必要だと思うものについては、1位が「親のための相談所の拡充」(58.8%)だった。次いで「一時保護施設の拡充」(55.9%)、「警察の積極的介入」(55.8%)と続く。4位の「児童相談所の早期介入」(52.9%)までは回答が過半数を超えていた。
以降は「児童相談所の拡充」(44.7%)、「厳罰化」(42.1%)などが挙がった。厳罰化をめぐっては、児童虐待に関する現行法について、7割近くが「(刑罰が)軽すぎる」(66%)と回答。「普通の殺人より重くすべき」「全体的に日本の刑罰は更生を目指して軽めになっている気がするが、(中略)ただ懲役というだけで役に立っていない気がする」という声が寄せられた。