今や、新卒で入社した企業で定年まで働くという価値観は古いものになっている。終身雇用を維持する余裕のない企業も多いし、一つの会社にいつまでも留まるより、転職したほうが収入が増えるというケースもざらにある。
労働をする側にとっては選択肢の広がった時代とは言えるだろう。しかしながらやっぱり転職は不安なんだよ~! という方も多いはず。そこで今回は、転職の際にきっと誰もが不安に感じるであろう「新しい職場に溶け込めるかどうか」ということついて書いてみたい。(文:松本ミゾレ)
「お局に嫌われているっぽい」「精神的にめちゃくちゃ疲れる」
先日5ちゃんねるに「初出勤から職場に溶け込むまで 30日目」というスレッドを見つけた。このスレッド、主に転職した人たちが初出勤日から感じた苦労や理不尽な思いなんかをつらつらと書き連ねているという趣旨なんだけど、これが結構見ていてつらくなる。
いくつかその例を引用の元紹介していきたい。
「アラサーになって他人からどう思われてるかとか他人のご機嫌を伺いながら行動するところとか、多少は改善されたと思ってた。が、今回入社して、改めて一挙手一投足で相手に気を使いながら未だに行動してる事を再確認した。精神的にめちゃくちゃ疲れるよ」
「お局に嫌われているっぽい。研修漬けでほぼ交流がないにも関わらず、挨拶無視されたり毎日ちょっとした嫌がらせを受けている様子。頑張って話しかけてみても目も合わせてくれない」
このように、なんだか他人事ながらこっちまで胃が痛くなりそうな書き込みが目につくのだ。世の中、バッチリ自分にハマる転職事例なんてそうそうないのかも……という気分にすらなってしまう。
考えてみれば、僕も1回か2回しか転職したことないけど、やっぱり最初から順風満帆な感じではなかったし、水が合わないと感じてしまうともうダメだったものなぁ。
挨拶を返さない人はただの「恥ずかしがり屋さん」?
とは言え、世の中そう捨てたものでもない。このネガティブな書き込み入り乱れるスレッドの中にも、転職したばかりの人に対しては光明になるようなアドバイスをした者たちもいる。
読むだけでちょっと気が楽になるかもしれないので、それらも是非目を通してもらいたい。
「(『挨拶を返してくれない』という書き込みに対して)そういう奴を何人か見てきたけど、最初は厳しいし名前でも呼んでくれない。あまり好感は持っていなかったけど、仲良くなると優しい人がほとんどだった。今ではそういうのを見ると、恥ずかしがり屋さんなんだな、と思うようにしてる」
たしかに、シャイ過ぎて挨拶をされると照れてしまって返せない、という人はいそうだ。
他には、こんな投稿もあった。この人物は真面目な職場で働くことになったが、一人ノリが軽い先輩がいた。思いっきり背もたれに寄りかかってスマホをいじっているような人だが、他部署に顔を出すとどこでも人気者。この先輩はまだこの職場に来て2年目なのに、まるで昔からの付き合いのように周囲と接していた。
そんな先輩から次のようなアドバイスをもらったという。
「俺は何回も転職してるから新人の気持ちがわかる。だから俺は怒らないし、何回聞いてもらっても構わない。ただ、元気の良い挨拶と落ちてるゴミだけは絶対に拾え。それを見た典型的日本人のジジイとババアは君を素敵な好青年としてとらえ、噂が広まる。あとは勝手に好感度うなぎ登りだから。楽勝だよ」
挨拶に関する投稿が目立ったが、挨拶って僕らが考えるよりも、かなり大事な要素ということなのかもしれない。たしかに周囲から「アイツ何考えてるか分からないから、仕事教えにくい」みたいに言われてる人って、挨拶の声も小さいからなぁ……。うん、僕も万が一転職することになったら大きな声でちゃんと挨拶しよう。