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三越伊勢丹HDが特別損失約67億円計上、バブル入社組のキャリア見直し

2019年12月23日 14:12  Fashionsnap.com

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伊勢丹新宿店本館(2019年6月撮影) Image by: FASHIONSNAP.COM
三越伊勢丹ホールディングス(以下、三越伊勢丹HD)が12月23日、三越伊勢丹の早期退職支援制度と新潟三越伊勢丹の希望退職制度に係る費用として、2020年3月期第3四半期連結決算で特別損失約67億円を計上すると発表した。
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 三越伊勢丹HDは2017年に早期退職支援制度「ネクストキャリア制度」を見直し、退職金の積み増しと対象年齢拡大を実施。1990年~1993年のいわゆるバブル期には総合職を通常年度の3~4倍採用し、バブル入社組のコストが課題になっていたという。制度の見直しに合わせて行った2017年度から2019年度までの募集では、対象年齢の下限を50歳から48歳に引き下げるとともに、退職金を最大5,000万円積み増しした。
 新潟三越伊勢丹が行った希望退職支援制度は、新潟三越を2020年3月22日に閉店することに伴うもの。店舗の閉店後は新潟エリアで従来の百貨店運営に捉われない新規事業の立ち上げなどを検討しており、要員配置に大きな変動が予想されるという。こうした社内編成を見越して、社員の新たなキャリア形成について面談を行ったうえで希望退職者を募集。なお、いずれの制度についても応募者数は非公開としている。
 同社に限らず、ファッション業界では構造改革の一環で組織再編や資源集中のために希望退職者を募る事は少なくない。近年は千趣会や三陽商会、オンワードホールディングスが実施を発表している。レナウンは2019年8月に募集を開始したが、事業環境の変化の検証必要性や従業員の声をもとに募集を中止した。東京商工リサーチの調査によると、2019年1月~11月に早期・希望退職者を募集した上場企業は36社で、対象人数は1万1,351万人。対象人数が1万人を超えたのは2013年以来6年ぶりだという。