セクハラ、パワハラ、マタハラなど様々なハラスメントが取り沙汰されているが、近年「カスハラ」も問題視されるようになっている。従業員に対して過度な文句や暴力をふるう「カスタマーハラスメント」のことだ。
エアトリは12月23日、カスハラに関する調査結果を発表した。調査は今年12月にネット上で実施し、20~70代の男女796人から回答を得た。接客業経験者(518人)のうち、カスハラを受けたことがある人は47.1%にのぼる。
「アルバイトに手を出そうとしたお客様の間に入ったら胸を掴まれ、唾を吐かれた」
具体的にどのような被害を受けたかを聞くと、「規定でできないことを『なぜできない、おかしい』と執拗にまくしたて怒鳴る、机を叩く、物を投げる」(30代・女性)といった客側の理不尽な発言・行動が多く寄せられた。
「フードコートのうどん店で出来上がるのが遅いと、怒鳴られた。ほぼ満席のたくさんの人の前で10分ほど頭を下げ続けた。あれからもう20年たちますが、忘れられません」(40代・女性)
「飲食店で、注文した品が出てくるのが遅いと怒ってウェイトレスの私にコップの水をかけてきた」(40代・女性)
「航空会社で勤務していた際、自身の寝坊で飛行機に乗り遅れた男性客から『飛行機を今すぐ止めろ。さもなければ、お前を2度とこの会社で働けないようにしてやる』と机を叩きながら脅されたことがある」(30代・女性)
また、50代男性は「アルバイトに手を出そうとしたお客様がいたので、間に入ったら胸を掴まれ、唾を吐かれた」と綴っている。
接客業の経験がある人のほうがカスハラ加害者になりやすい?
カスハラ被害にあった人のうち、「カスハラが増加していると感じる」と回答した人は62.3%。カスハラ加害者の予想年齢を聞くと、最も多かったのは「50代男性」(33.6%)で、僅差で「40代男性」(32.8%)となった。
3位以降、「60代男性」(25.8%)、「30代男性」(24.2%)、「40代女性」(20.5%)、「50代女性」(15.6%)、「30代女性」(15.2%)、「70代男性」(13.1%)と続く。20代は1割程度(男性10.7%、女性10.2%)、10代は3%未満(男性2.5%、女性2.9%)となった。
自身がカスハラを行ったことがあるという人は全体の5.4%。接客業経験者は6.0%で、未経験者(4.3%)を上回った。カスハラを行ったことがある人に理由を聞くと、最も多かったのは接客業経験者で「従業員の態度が悪かった」(71.0%)、未経験者で「商品・サービスがあまりにもひどかった」(58.3%)となった。
また「従業員の謝罪態度が気に入らなかった」は未経験者が0%なのに対して、経験者は29.0%にのぼった。同社は「接客業経験者は経験があるからこそ従業員に対して厳しい目を向け、不満を抱くようです」とコメントしている。カスハラの具体的な内容としては、
「食物が乗っているお皿が汚れていたので、きれいなお皿に乗せてほしいと言いました。さげてくれましたが、次に持って来た物は明らかに先のソースを拭き取った皿で布巾の跡がありました」(40代女性・接客経験あり)
「職場の飲み会の幹事をしたとき。予約した時間を過ぎても席の準備ができていないと店内に入れず、やっと席に案内されて注文をしたにもかかわらず全然オーダー品が来なくていつまでたっても乾杯ができず、お支払いの際にあまりにもひどいんじゃないですか、と店長さんに食って掛かってしまいました」(40代女性・接客経験なし)
といった声が寄せられた。
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