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手のひらサイズの電子楽器Orba、ミニマルシンセ&ルーパー&MIDIコンがオールインワンで楽しめる

2019年12月23日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

Orba

 まるでグレープフルーツを半分に切ったような形状のこれ、実は楽器だ。現在海外クラウドファンディングサイトKickstarterでキャンペーン中のArtiphon社の「Orba」という製品。プロの音楽家でなくとも、全ての音楽好きが楽しむことのできる楽器を目指して作られたデバイスだ。これ単体で音楽を演奏できるほか、専用アプリを通じて愉しんだりもできるし、MIDIコントローラーとして使う事もできる。まさに音楽を楽しむ全ての人のためのデバイスだ。


(参考:w-inds. 橘慶太×Yaffle(小島裕規)対談「楽音と楽音じゃない音の境目が曖昧になってる」


・楽しみ方色々
 Orbaの天面にはタッチセンサー付きのパッドが8つ、そして内部には加速度計とジャイロスコープや内蔵スピーカー、3.5mmヘッドホンジャックも収まっている。パッドを叩く/触ることで音を生み出すほか、本体を持ったまま傾けたり振ったりといった動きでも音を造り上げることができる。単体だけで様々な楽器音の切り替えができるだけでなく、ルーパー機能も付いているため一人で演奏に浸ることができる。


 Orbaの専用アプリはiOSとAndroidだけでなく、MacとWindowsデバイス向けにも出される予定となっている。この専用アプリではOrbaの音設定などを変えることができるほか、Orbaで作った曲を保存したり、他の音楽制作ソフトにエクスポートしたり、シェアしたりする事が可能。


 MIDI出力はBluetoothとUSB-Cで可能。もちろん「GarageBand」、「Pro Tools」、「Ableton Live」などといったMIDI入力可能なDAWにも対応しているので、ただ音楽を演奏して楽しむ人だけで無く、本格的に音楽を作るという人にも楽しめそうだ。


・アマチュアからプロまで
 こちらの動画では、ジェスチャーの使い方、ルーパーの使い方などのOrbaの具体的な使い方が説明されている。学校で鍵盤ハーモニカやリコーダーなどが大の苦手だったが、音楽に興味のある筆者はこういうのを見ていると楽しそうだな、自分でも楽しい音楽が演奏できそうだな・・・なんて思ってしまう。


 Orbaが気になる方は、他にもYouTubeではDJで音楽プロデューサーのJohnnyBgood氏がOrbaで作ったという曲が、InstagramではロサンゼルスのYoung Producers Groupの学生達がOrbaで遊ぶ様子、ビヨンセやジェイZなどのプロデューサーとしても知られる!llmind氏がOrbaプロトタイプを試す様子などの動画が公開されているので見てみると良いだろう。


・Orbaの前身? INSTRUMENT 1
 なおOrbampキャンペーンを行うArtiphon社は、Orbaの他にも既に風変わりな楽器兼MIDIコントローラー「INSTRUMENT 1」を作っていることでも知られる。


 INSTRUMENT 1は電子ギターとキーボードを合わせたような、でもショルダーキーボードともなんだか異なる楽器で、やはりこれも当初はKickstarterでキャンペーンされたもの。2015年に行われたINSTRUMENT 1のキャンペーンでは130万ドル以上(記事執筆時レートで約1.4億円)が集まる大成功を収めており、現在はINSTRUMENT 1は日本でも市販されているようだ。


 Orbaと比べると、INSTRUMENT 1の方がより典型的な楽器に似た形をしているので、既に楽器が演奏できる人であれば直感的に演奏できることだろう。この点でもOrbaは楽器の演奏をしたことの無い人にも、楽器に苦手感がある人にも楽しみやすいデバイスと言えるかもしれない。


 Orbaはキャンペーン終了まで30日以上残す12月10日現在、すでに4800万円以上の資金を集めている。なおクラウドファンディングサイトでの出資をご検討中の方は、ネットで商品を購入するのとは異なり、リスクを伴うこともお忘れ無く。


(Yu Ando)