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霜降り明星、YouTubeで“オフの1日”を捉えた動画が大ヒット中 ふたりの日常に見る“隠すことのできない面白さ”

2019年12月22日 16:31  リアルサウンド

リアルサウンド

動画サムネイルより

 お笑いコンビ・霜降り明星のふたりが毎日さまざまな企画に挑戦しているYouTubeチャンネル「しもふりチューブ」。粗品の趣味であるパチンコに特化した企画やせいやが大好きな漫画の魅力を紹介する企画、あるいはゲームを楽しむ企画など、YouTubeならではのライトな動画が毎日18時にアップされ、じわじわと登録者数を伸ばしつつある。


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 霜降り明星といえば、昨年(2018年)の『M-1 グランプリ』で優勝し、“お笑い第七世代”の筆頭として人気を集めるコンビである。それでもやはり、YouTubeではまだまだ新人の領域と言わざるを得ない。再生数を獲得するのもそうそう簡単ではないが、“バラエティやラジオでは見られない姿を届けるコンテンツ”としてこの「しもふりチューブ」は差別化されてきた。その特徴を最も決定づけることになるであろうプロジェクトが12月1日から進行中で、その動画がお笑いファンを大いに楽しませている。


「おふたり今日休日だと思うんですけど、休日を返上していただいて。30本(撮影したい)……」


 せいやの自宅に乗り込む粗品とスタッフたち。1本目の動画の冒頭で、作家の白武ときお氏が霜降り明星のふたりにこう言葉を告げる。年末というと特番等の収録で忙しい時期だ。そうするとYouTubeの撮影が滞る可能性もあるけれど、「しもふりチューブ」は毎日投稿しなければいけない……。そんな状況が重なったことも結果的に功を奏し、こんな企画が生まれることになった。霜降り明星のオフの1日を捉えた30本の動画が、12月1日から30日まで毎日投稿されるーー。ファンにとっては歓喜の企画であったに違いない。


 通常の企画動画がアベレージで約10万回再生を獲得しているのに対し、例えばせいやが粗品に手料理を振る舞う3本目の動画が約60万回再生されているというのは、単にファンだけが楽しんでいるわけではないことを証明する状況ではないだろうか。普段は「しもふりチューブ」を観ていなかったライトなファン層にも動画が届いた理由。それはひとえに、この圧倒的なオフビート感にあるのだと思う。そもそも芸能人の「オフの1日」を覗き見るというのはかなりレアで、しかも霜降り明星はラジオなどを聴いている限りかなり忙しくしている様子。そのふたりが仕事から解放されて脱力し、ごはんを食べたりお酒を飲んだり、はたまたゆるい雑談をしたりする姿には、妙な「安心感」がある。


 オフとは言ってもYouTubeなので“撮られてる感”を無視することはできないが、ふたりがしきりに「オフやから(張り切らんでも大丈夫)」と口にしてくれるので、こちらも気を張らずに同じテンションで観れてしまう。それが年の瀬のやや浮ついた時期に公開されているというのも、タイミング的には絶妙であると言うほかない。年末年始のお休みの時期に観ても、きっと楽しめるはずだ。


 そもそもYouTubeは、ゆるくオフビートな日常系の動画との相性がかなりいい。inliving.をはじめとしたVlogもそうであるし、もう少し飛躍すれば「東海オンエアの控え室」等の人気YouTuberのサブチャンネルだってそうである。内容なんていうのは案外どうでもよくて、メインチャンネルの企画動画にはない、例えば「メンバーの関係性」や「普段の普通の生活」が垣間見えるところにこそ魅力が隠れている。霜降り明星が休みの日に家で何を食べているのか。せいやは部屋のどこにアレを隠しているのか。家を出るときの服の選び方。そういった些細だけどどこにも出してこなかったプライベートな情報が明るみに出るのが、やはりこの企画の特徴でもあるように思う。加えてやっぱり、オフとは言ってもその天性の面白さを隠すことはできないから、ゆるくも冴え渡るせいやのボケと粗品のツッコミに笑い、驚かされてしまう。学生時代にいた面白い友だちを見ているような、「ハイクオリティな日常」がそこにはあるのだ。


 そういった「オフの日常」をひとつのチャームとしつつ、ときおり霜降り明星の真面目な話が飛び交う場面もあり、グッと耳をそばだててしまう。漫才の作り方や好きな劇場での思い出、第七世代という言葉にかける意味など、ファンにとっては必聴の話も。12月21日に公開された21本目の動画の時点では、せいやが思ったより酔っ払ってしまい、オフ感だらだらな様子が愛らしい展開になっている。ここから部屋に戻り、さらにお酒が入り、深い話が飛び出したりするのか。12月30日までの動画の模様にゆるく注目していきたい。


(原航平)