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徳永えり、橋本淳が自分自身にツッコミ! 『月極オトコトモダチ』異例の“生オーディオコメンタリー”

2019年12月21日 14:11  リアルサウンド

リアルサウンド

『月極オトコトモダチ』“生オーディオコメンタリー”

 映画『月極オトコトモダチ』のDVD発売記念トークイベントが12月20日に新宿ロフトプラスワンにて行われ、徳永えり、橋本淳、芦那すみれ、穐山茉由監督が登壇した。


 「MOOSIC LAB 2018」で長編部門グランプリを含む4冠に輝き、第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門にも正式出品された本作は、現役OLでもある異色の映画監督・穐山茉由の長編デビュー作。WEBマガジン編集者の望月那沙(徳永えり)、那沙があるきっかけで出会った「男女関係にならないスイッチ」を持つと語る“レンタル友達”の柳瀬草太(橋本淳)、そして那沙のルームメイトの珠希(芦那すみれ)の関係性を描く。


 今回のイベントは、“生オーディオコメンタリー上映”として、4人が観客と一緒に映画を観ながら撮影の裏側や思い出を振り返るという贅沢な上映形式。フードメニューも充実している新宿ロフトプラスワンということで、橋本は「皆さん飲んで食べて楽しく盛り上がりましょう!」と観客を盛り上げる。徳永が「自分自身の作品を観ながら語るのは人生で初めてです。勝手にみかんも持参してきちゃいました(笑)」と語るなど、さながら“忘年会”のような雰囲気で上映はスタートした。


 本作のテーマのひとつとしてあるのが、「男女の友情関係は成立するのか」というもの。レンタル友達を生業とする柳瀬が、作品冒頭「僕、(男女関係にならない)スイッチ持っているんで」と那沙に語るシーンがあると、すかさず橋本が「そんなスイッチないよ、なんすかスイッチって」と自分自身にツッコミし、場内は爆笑の渦に。穐山監督が「持ってるでしょうよ」と返すと「監督の目になっている」と橋本もタジタジな様子だった。


 芦那が演じた珠希は、BOMIとして活躍する自身と同じようにシンガーソングライターという役どころ。劇中も度々歌唱するシーンがあり、映像を観ながら徳永、橋本は「本当にいい曲、すごい」と改めて感嘆。現場で作詞作曲を即興で行っているシーンもあったそうだ。


 劇中、寝ている珠希に那沙が口づけ寸前まで顔を近づけるシーンがある。橋本が「このときの演技自然過ぎる」と語ると、芦那は「寝ているシーンだから本当に寝ちゃえばいいかって」と驚きのコメント。また、珠希がワインを一気飲みするシーンでは、何回かリテイクを行ったそう。橋本が「まさかあれも本物?」と尋ねると、「そんなわけないじゃん。私ならやると思った?」と返し、観客の笑いを誘った。


 また、ポイントポイントで撮影や照明の意図を穐山監督が解説。登場人物の気持ちの変化と共に、照明の色味が変化していることや、直前まで台詞の修正を行っていたシーン、ゲリア撮影を行ったシーンなど、これまで明かされることのなかった情報に、観客からも驚きの声が上がっていた。


 すっかり定着した“応援上映”だが、今回の生オーディオコメンタリーのように、演じる役者が目の前にいるのは異例の上映スタイルだろう。冒頭と中盤に訪れる那沙の“長台詞絶叫シーン”では、徳永が「次の台詞なんだっけ、なんだっけ、やっと言えた!」と当時の心境をリアルタイム実況。那沙が台詞を言い終えると、場内は拍手喝采となり、文字通り会場が一体となった瞬間だった。


 今回のイベントで最も盛り上がったのが、那沙が柳瀬の家に泊まることになり、キスまで行うドキドキのシーン。橋本は「素面じゃ観てられないので、もう一杯もらっていいですか」と追加のお酒を注文するなど、恥ずかしさを隠せず。どんどん那沙と柳瀬の顔が近づき、キスに至る瞬間では、場内の女性陣から「キャー」の歓喜の声が。徳永、橋本、芦那、穐山監督の4名は、上映を通して観客と一体となる本イベントを心から楽しんでいるようだった。


 生オーディオコメンタリー上映後には、BOMI、入江陽のミニライブも行われ、大盛況でイベントは幕を閉じた。


(取材・文=石井達也)