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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のココに期待! 公開後もコンテンツは盛りだくさん

2019年12月19日 08:02  リアルサウンド

リアルサウンド

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(c)2019 ILM and Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

 いよいよ『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開です。本作についてはすでに多くの予測記事は飛び交っていますので、ここでは改めて“スター・ウォーズ”というコンテンツの功績や今後どうなっていくのか僕なりに考えてみたいと思います。


参考:場面写真はこちらから


 まず今回意外だったのは、ライトセーバーでした。というのもスター・ウォーズは新作が公開される度に、新しいライトセーバーが出てきて、そのおもちゃが発売される。だから僕は毎度、新しいライトセーバーを買って劇場に駆けつけるんですけど、今回は買うべき物がなかった。当然、予告等で出てくるレイが意味深に持っている、あのライトセーバーのおもちゃが売られると思っていたのですが、いま現在、あのおもちゃはない。つまり商品化計画にも影響が出るぐらい、内容については秘密ということでしょうか?(もっとも映画公開と同時に、売り出すという可能性もありますが)


 また、気になるのは監督のJ・J・エイブラムス自身が、本作が『フォースの覚醒』から始まる新シリーズの3部作の完結作であると同時に、1977年(日本公開1978年)の『スター・ウォーズ』から続くスカイウォーカー家の物語の大団円と位置付けている、ということです。


 『フォースの覚醒』以前のスター・ウォーズは物語としては完結していますが、あえてそれ以前の中で語られていないのは、ダース・ベイダーことアナキン・スカイウォーカーの“父親”は誰か? ということ。これが今度の『スカイウォーカーの夜明け』が明らかになるのか、です。そしてあえて言いますが、ハン・ソロは本当に死んだのか? というのも気になるところ。というのも『帝国の逆襲』でルークは傷つきながらも落下して助かっているし、もし『スカイウォーカーの夜明け』にパルパティーン(ダース・シディアス、銀河皇帝)が出るとしたら、彼も『ジェダイの復讐(帰還)』においてダース・ベイダーに投げ出され落下しています。


 つまり、“落下したキャラ”は、たいてい生きているのです。『ファントム・メナス』のダース・モールも落下しますが、彼はいまのところ生き返っていません。しかしダース・モールの場合、その直前に、胴体から真っ二つに斬られていて死んでいるという描写を“わざわざ”入れています。ハン・ソロも落下して『フォースの覚醒』から消えますが、完全に死んだという描写はないので、ひょっとしてと期待しています(笑)


 さて、気になるのは『スカイウォーカーの夜明け』以降、ディズニーは一旦スター・ウォーズ映画についてはひと段落するみたいなことを言っています。しかし『スカイウォーカーの夜明け』が超絶大ヒットして、またその内容が絶賛されれば、スター・ウォーズの新作映画がまた動き出す可能性もあります。


 その一方、ディズニーはスター・ウォーズの世界観を使ったドラマ・シリーズを積極的に展開していきます。新たに始めた配信サービス<Disney+>(日本ではDisney DELUXEで対応)用にまず『ザ・マンダロリアン』がスタート。これは惑星マンダロアに住む武闘派一族マンダロリアンの活躍を描きます。このマンダロリアン特殊なアーマーに身を包んでいます。このアーマーこそボバ・フェット、ジャンゴ・フェットのそれです。スター・ウォーズの中でも人気の高いボバ・フェットのイメージに注目したドラマで、設定的には『ジェダイの復讐(帰還)』から5年後。このドラマに登場するとされる、ヨーダと同種のエイリアン、通称ベビー・ヨーダの愛らしさも話題になっています。


 ボバ・フェットのスピンオフ映画が作られるハズだったのがキャンセルになり、がっかりしたファンにとっては吉報でしょう。僕もデザイン的にはボバ・フェットがスター・ウォーズのキャラの中で一番かっこいいと思います。その他、ユアン・マクレガー出演で若きオビ・ワン・ケノービを描くシリーズ、さらに『ローグ・ワン』の主人公の一人キャシアン・ジェロン・アンドーを主人公にしたシリーズも予定されています。


 もともと『ファントム・メナス』から始まる3部作は、オビ・ワン・ケノービに重きをおいた作品になるとも言われていましたが、結果的にアナキンの物語でした。なのでこういう形で、オビ・ワン・ケノービが主役のドラマが見られるのは嬉しい。また『ローグ・ワン』は、スピンオフながら“本作を最も好きなスター・ウォーズ映画”というファンも少なくなく(僕もその一人)、期待が高まります。


 最後に僕なりに思う『スター・ウォーズ』というコンテンツの功績と思い出にふれさせてください。僕は『スター・ウォーズ』の日本公開の初日に参加した思い出があります。『スター・ウォーズ』は1977年公開ですが、日本公開はまるまる1年遅れの1978年でした。なので『スター・ウォーズ』の公開年は1977年表記と1978年表記があるのです。なぜ1年遅れたかというと、当時、アメリカで夏にヒットした映画が日本では正月映画、みたいなパターンが多かった。『ジョーズ』がまさにそれでした。『スター・ウォーズ』も『惑星大戦争』という邦題で1977年末つまり1978年に向けての正月映画の予定だったそうですが、アメリカで大ヒットし、より興行力の高い夏休み興行にしようということになったみたいです。


 この時代はビデオとかないし、当然ネットや動画サイトもないので、1年公開が遅れてもネタバレとか海賊版が出回るというリスクはなかったんですね。僕は6月24日の、日劇に観に行ったことを覚えています。映画自体も楽しかったですが、すごいお祭りが始まった感じがしてその雰囲気を含めて好きでした。すごく大雑把に言うと『スター・ウォーズ』の成功はいわゆるオタク文化を「あり」にしたことではないでしょうか?


 実は日本では1977年に『宇宙戦艦ヤマト』の劇場版が異例の大ヒットとなり、アニメ・ブームが起こります。アニメも特撮を使ったSF冒険ものはファミリー映画、子ども向けというイメージがまだ強かった時期に、こういうものを若者や大人が楽しんでもいいんだ、みたいな雰囲気を作ってくれたことでしょう。あの時『スター・ウォーズ』や『宇宙戦艦ヤマト』がヒットしていなかったら、いまのマーベル映画や『天気の子』みたいな社会現象となるアニメ映画は生まれなかったんじゃないかな。そういう意味でも『スター・ウォーズ』に対して、感謝とリスペクトがあります。映画をフォースが見ていることを信じつつ、12月20日が楽しみです! 
※記事初出時、本文に誤表記がございました。お詫びして訂正いたします。
(文=杉山すぴ豊)