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三菱電機の若手自殺、暴言メモ公開「飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう」

2019年12月18日 17:52  弁護士ドットコム

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三菱電機の新入社員だった男性が配属先の教育指導員からハラスメントを受けて自殺したとされる問題で、遺族の代理人弁護士が12月18日、都内で記者会見し、亡くなる前日に書いたとされるメモを公開した。今後、労災申請や損害賠償などを求める予定だという。


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メモには、男性が教育指導員から言われた言葉として、「次同じ質問して答えられんかったら殺すからな」、「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓があるで」などの内容が書かれていた。



毎日新聞(12月7日)によると、教育指導員は自殺教唆の疑いで、11月14日付で神戸地検に書類送検されたという。



男性遺族の代理人である嶋崎量弁護士は「(教育指導員に対して)遺族は強い処罰感情を持っている。今後同じようなことが二度と起こらないように、会社には再発防止策をとってもらいたい」と訴えた。



●執拗なハラスメントがあったことを示唆するメモの存在

男性は2019年4月、三菱電機に入社し、研修を受けたのち、7月1日に兵庫県尼崎市にある生産技術センターへ配属された。



男性が残したとされるメモによると、教育指導員からのハラスメントは配属直後からあったことが示唆されており、7月上旬には、研修内容についての質問に答えられなかった男性に対して、「次同じ質問して答えられんかったら殺すからな」と言われたことが書かれていた。



このほか、教育指導員は男性に対し、「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう?」「(飛び降りたら)ドロドロ●●(男性の名字)ができるな」「自殺しろ」などと言ったとする内容がメモに書かれていた。





男性は8月23日、公園で自殺しているのが見つかった。嶋崎弁護士によると、今回のメモは現場で発見されたという。



●捜査が先行している珍しいケース

この問題については、教育指導員がすでに書類送検されるなど、刑事手続きが先行している。



嶋崎弁護士は「いじめによる自殺、過労死での自殺などの事件で、(労災申請や損害賠償請求などよりも)刑事手続きが先行することは極めて珍しい。残されたメモを含めた遺品などから、警察において事件性があると判断したからではないか」という。



現在進められている捜査について、「形だけの捜査をしているとは思わない。きちんとした捜査をしていると遺族も代理人も受け止めている」と評価し、今後の捜査状況を見守りつつ、労災申請や損害賠償などを求める予定だという。



●遺族「会社には息子の死ときちんと向き合ってほしい」

遺族は、書面で以下のようにコメントした。



「三菱電機に反省の色はみられず保身に全力を注いでいるように感じます。今後も同じような事例が起きそうで心配でなりません。息子の死ときちんと向き合っていただき、どうか私たちのような悲しいできごとが二度と起こらないようにしてほしいと切に望みます」



●三菱電機のコメント

三菱電機は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、以下の回答をした。



「亡くなられた方のご冥福を深くお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆さまに心からお悔み申し上げます。前途ある新入社員が尊い命を落とす事態が起きましたことを非常に重く受け止め、本件について真摯に対応してまいります。現在、当局が捜査中であり、詳細な回答は差し控えさせていただきます。捜査には全面的に協力してまいります」