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TOKIOと嵐が“YouTuberデビュー” 初々しくも刺激的な動画に見るクリエイターへのリスペクト

2019年12月18日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

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 ジャニーズのアイドルグループ・TOKIOと嵐による元日恒例の特別番組『TOKIO嵐』が、2020年1月1日の放送をもって10周年を迎える。その放送に先駆けてこのほど、日テレ公式チャンネルにて「TOKIO×嵐 楽屋で4番勝負」と題された動画が連日投稿されている。


(参考:嵐・二宮和也、YouTubeの公開チャットで相葉雅紀と「しりとり」 SNS解禁で見えてきた遊び心


 ジャニーズとYouTubeといえば、嵐が今年10月に公式チャンネルを開設したことが大きな話題を呼んだ。同チャンネルにアップロードされている動画は、これまでにリリースされたヒット曲のMVやコンサート映像、嵐のメンバーがアジア4都市を巡る「JET STORM」の模様などが中心。2020年末に活動休止を迎える彼らの軌跡が詰め込まれた、ファン垂涎の内容となっている反面、“踊ってみた”向けの振り付け動画こそあれ、単発のチャレンジ企画など、いわゆるYouTuber的なコンテンツは現段階で投稿されていなかった。


 今回、日テレ公式チャンネルにて公開された動画は、そんな今までなかった嵐のYouTuber的なノリを堪能できるものになっている。『TOKIO嵐』の収録の合間に、兄貴分であるTOKIOのメンバーとともにミニゲームに挑戦しているのだが、そこで見せている表情がテレビとは一味違っていて新鮮だ。


 12月15日には、松本潤と松岡昌宏による「決めろ!ボトルフリップ」と題した動画が公開。冒頭でいきなり「マサヒロでーす!」「潤でーす!」とハイテンションで挨拶した2人。松本が「テンションが急(笑)」と苦笑いすると、松岡は「YouTubeってのはこんなもんだろ!」と、ファンサービスを忘れない。


 勝負は先攻・後攻を決めたうえで、激甘メロンソーダが少しだけ入ったペットボトルを回転させながら宙に投げ、地面に着地した時に立たせたほうが勝利というもの。結果は2投目で成功した松岡の勝利。勝利の瞬間「最高!」とポーズを決めて見せるなど、終始、YouTubeデビューを楽しんでいた。


 12月16日には長瀬智也と相葉雅紀、二宮和也による「イヤホンガンガン伝言ゲーム」の動画が公開された。こちらでも「智也です!」「雅紀です!」「和也です!」と、やはりYouTubeに馴染むよう、オープニングで元気よく挨拶。ちなみにこの「イヤホンガンガン伝言ゲーム」は、YouTuber界隈でブームを巻き起こしており、これまでにフィッシャーズやはじめしゃちょーなどの人気クリエイターも動画を投稿している。


 大音量が流れるヘッドホンをつけながら、相手が発言したことを読唇術の要領で読み取って正解を導き出すこのゲーム。今回は「来年やりたいこと」を長瀬と二宮が相葉を中継してお互いに伝えるという趣旨で行われ、長瀬は「ニノと一緒にゲームをやりたい」と伝え、一方の二宮は「長瀬君のバイクのサイドカーに乗りたい」と伝えていた。


 これら動画の特筆すべきポイントは、編集もテレビ的なものではなく、YouTuber的なメソッドに則って作られていることだ。状況に応じて細かくフォットを変えてインサートされるテロップや、発言を際立たせる印象的な効果音、困った表情をした時に画面がモノトーンになる演出など、短い再生時間でインパクトを残してきた、人気YouTuberの動画のエッセンスが多分に詰め込まれている。あえてプラットフォームに合わせるメタ的な遊びとも受け取れるし、日々動画で視聴者を楽しませているYouTuberへのリスペクトとも言えるだろう。


 ジャニーズのトップアイドルがYouTuberのようにミニゲームにチャレンジしている動画は世間的なインパクトも大きく、12月17日17時時点で「決めろ!ボトルフリップ」は96万回再生、「イヤホンガンガン伝言ゲーム」は58万回再生を記録している。ジャニーズは少し前まで、ネットでのコンテンツ配信を限定的なものにとどめていただけに、ジャニーズJr.のYouTubeチャンネル活動、そして嵐の各種SNS解禁を含めた今般のスピード感のある広がりは、ファンを驚かせ、同時に喜ばせる施策になっていると言えるだろう。


 今回の動画はあくまで特番とセットの限定的なものだが、それぞれに巨大なファンコミュニティを抱えているジャニーズのトップアイドルたちがこうした動画を量産し始めたとしたら、YouTubeの「急上昇ランキング」に上がる顔ぶれは大きく変わるかもしれない。


(こじへい)